世界5大モーターショーの一つであるパリモーターショーが現地時間17日、4年ぶりに開幕した。この「世界の自動車業界の風見鶏」とされる見本市には、国内外の自動車ブランドが集結する。長城汽車や比亜迪などが再び中国製の自動車を率いて海を渡った。
中国の自動車メーカーは近年、海外市場への進出を急いでいる。中国汽車工業協会のデータによると、中国の9月の自動車輸出台数は前年同月比73.9%増の30万1000台で、前月に続き今年2回目の1カ月あたり30万台突破となった。乗用車市場情報連席会の統計によると、9月の自主ブランド輸出台数は前年同月比88%増の20万4000台で、前月比で13%増だった。
中国の自動車輸出台数が持続的に増加すると同時に、品質にも変化が生じている。もはや低価格を売りにする時代は終わった。乗用車市場情報連席会のデータによると、中国の2018年の輸出自動車平均価格は1万2900ドルだったが、今年8月には1万8900ドルになった。うち電気自動車(EV)の上げ幅がさらに顕著で、18年は2000ドルだったが20年には1万1000ドルに、今年8月には2万5800ドルに上がった。
中国銀河証券の石金漫アナリストは、「欧州は自動車業界のハイエンド市場で、中国自動車メーカーに追い越しの発展チャンスを提供することに期待できる」と述べた。
添翼デジタル経済シンクタンクの呉婉瑩上席研究員は「証券日報」に、「中国の新エネ車の産業チェーンとサプライチェーンの強みが近年顕著だ。これにバッテリー、モーター、電子制御などの新エネ車の中核部品の生産コスト及び生産効率の全面的な強みが加わり、中国新エネ車メーカーが輸出にモデル転換ためのコアコンピタンスが形成されている」と述べた。
中国の新エネ乗用車の輸出が急成長するなか、欧州が海外進出の主な目的地になっている。比亜迪、蔚来、長城汽車などの各社が近年、欧州進出計画を明らかにしている。
江西新能源科技職業学院新エネ車技術研究院の張翔院長は「証券日報」の取材で、「現在は中国自動車メーカーが欧州市場に進出する最高の時期だ。中国の新エネ車の生産・販売台数は7年連続で世界一で、世界最大の産業チェーンを持つ。しかも多くの中核技術のブレイクスルーを実現し、世界をリードしている」と述べた。
民生証券は研究報告書の中で、「中国製新エネ製品ブランドの多くが海外に進出しており、海外での認知度が持続的に向上し、サービスネットワークの整備が進んでいる。これは中国新エネ製品ブランドのさらなる販路拡大に有利だ」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年10月23日