25日午後8時から27日午前10時のうちに、オフショア人民元の対米ドルスポットレートが1ドル=7.3748の最低水準から力強く反転上昇し、一時最高で7.1636まで上がった(2112ベーシスポイントの上昇)。同じく直近の3営業日に、オンショア人民元の対米ドルスポットレートの伸びも1400ベーシスポイントを超えた。
JLL大中華チーフエコノミスト兼研究部総監の厖溟氏は、「元高進行の主な外的要因は、米国経済の回復のペースダウンへの市場の懸念により米ドル指数が下がったことだ。政策面の要因は、越境融資マクロプルーデンス調節パラメータの引き上げで、監督管理層の誘導シグナルを発し、投資家の懸念を弱めた」と述べた。
厖氏はより長期的で基本的な内部の要因について、「市場は中国のマクロデータが示した、経済安定と回復、効果的な需要の持続的な回復、支援策の実行と奏効、継続的な政策措置による効果の拡大、市場主体内部の成長の原動力の強化といった積極的な情報をさらに受け取った」との見方を示した。
国泰君安証券グローバルチーフエコノミストの周浩氏は、「人民元レートにとって、技術的に7.23から7.25という位置は非常に重要で、突破されれば元安の余地がさらに大きくなる可能性を意味する。中央銀行も最近、外貨準備高の拡大や越境融資マクロプルーデンス調節パラメータの引き上げなど、人民元レートを支える若干の措置を講じた。これまで効果が顕著でなかったが、ユーロ高に伴いオフショア人民元の見通しが良くなり、元高が急速に進行した」と指摘した。
人民元レートは今後どのように推移するのだろうか。厖氏は、「中国の回復・発展の流が続き、景況感が高い水準を保ち、国際収支と越境資金流動が安定を維持することと、さらに金融リスクが全体的に落ち着き、金融システムが全体的に穏健で、金融市場が安定的に運行し、金融業界の強靭性が持続的に高まるという良好な流れを考えると、人民元レートは合理的でバランスのとれた水準で基本的な安定を維持する。長期的な元高、人民元建て資産の魅力の持続的な拡大の流れが変化することはない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年10月28日