このほど発表された中国対外貿易の「成績表」によると、2022年1－11月の中国貨物貿易輸出入総額は38兆3400億元で、前年同期比8.6％増加した。これにより中国の対外貿易が様々な圧力に耐えて安定推移していることが明らかになった。

　今年に入ってから、中国は国内外の複雑で厳しい情勢に直面しながら、コロナ対策と経済社会の発展に効率的かつ統括的に取り組み、経済安定化に向けた一連の政策の効果を発揮させ、対外貿易を効果的に推進することで市場安定化・優位性拡大・活力増大・国民経済の回復に積極的に貢献した。

　今年は世界的にコロナ禍が長期化し、地政学的な緊張の高まりやトータルコスト増加など、さまざまな試練が影を落とすなか、一部の中国企業は対外貿易への意欲と活力が後退し、対外貿易のサプライチェーンが深刻な影響を受けた。党中央委員会と国務院はこれを重視し、相次いで複数の対外貿易安定化政策を打ち出した。

　4月には、輸出税還付の支援を一段と拡大。5月には13項目の政策措置を提起し、外国貿易企業の受注獲得・市場開拓・産業チェーンとサプライチェーンの安定化を支援した。9月には、防疫強化・エネルギーと労働力の利用・物流などの側面から引き続き支援を強化。12月には中共中央委員会政治局会議が、「高度な対外開放を推進するには、外資の誘致と利用に一段と注力すべき」と提起した。

　企業の難局に対応するため、各地方政府も実質的で新しい措置を相次いで打ち出している。上海市は貿易の技術的障害に関する措置の公共サービスプラットフォームを立ち上げ、業界企業が海外の貿易の技術的障害に関する措置を理解し対応できるよう後押し、海外市場をよりよく開拓できるよう支援した。浙江省は国際海運物流と信用保険の支援強化を提起した。広東省は各自治体に、海外マーケティングや広東省での買付、海外投資などの国境を越えた経済貿易活動の支援を強化するよう促した。

　一連の政策措置が奏功し、中国の対外貿易は圧力に持ちこたえることができた。第1四半期は成長率10.7％と平穏にスタートを切った。4月は成長減速したものの、5－6月は急速に回復に転じ、上半期は9.4％の高成長を達成した。1-11月は安定成長を維持し、輸出入の規模・質・効率はいずれも向上した。

　「中国の対外貿易の発展にはなお力強い下支えがあると見るべきだ。対外貿易産業の基盤は良好で、企業の契約履行能力とイノベーション力は絶え間なく強化されている」。中国商務部の束珏婷報道官は、「対外貿易安定化政策の効果が持続的に発揮されるのに伴い、国際線定期便の運航数が顕著に増加し、中国の対外貿易は引き続き合理的な範囲で運営される見通し」としている。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2022年12月17日