2023年の経済政策の運営方針を決める中央経済工作会議が2022年12月15日から2日間にわたって北京市で開かれた。会議では、2023年の経済活動の全体的な課題と政策の方向性について詳細な説明が行われ、その円滑な運営に向けた指針が示された。
海外の研究機関や識者らは、中国経済は高いレジリエンス(回復力)と潜在力、活力を備えており、各種政策の効果も引き続き現れていることから、2023年は概ね景気が持ち直す見通しで、引き続き世界経済の回復をけん引するとの見方を示した。
市場ではこのところ、中国経済の先行きにポジティブなシグナルが次々と灯り、投資家らが中国市場の先行き見通しに強い自信を示している。スイスの金融大手UBSはレポートの中で、2022年1〜10月の中国の外資利用実績は前年同期比17.4%増の1683億4千万米ドルに上るなど、多くの多国籍企業が中国での生産・投資を拡大していると指摘した。
米調査会社ロジウム・グループは先ごろ発表したレポートの中で、中国に数十億ドルを投資した複数の大手企業が、引き続きその投資計画を実施していると明らかにした。フランスの金融大手ソシエテ・ジェネラルと米金融大手モルガン・スタンレーはいずれも、中国経済の見通しについて2023年は着実に回復すると予想した。
中国に巨額の投資をするドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)はこのほど、中国に新設の合弁2社に最大30億ドルを投資すると明らかにした。
国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は、中国には景気を押し上げ、下押し圧力に対応する十分な財政余地があると指摘。中国政府がより的を絞った新型コロナウイルス感染症対策を講じていることも、サプライチェーンの寸断や経済成長の鈍化を抑え込むのに有効だと語った。
世界第2位の消費市場として、また世界130を超える国・地域にとっての主要な貿易相手国として、中国は高水準の対外開放を推進し、新たな発展モデルの構築を加速している。世界は、中国が今後も世界経済の成長を力強くけん引していくことに期待している。
国連貿易開発会議(UNCTAD)のシニアエコノミスト梁国勇氏はこのほど、中国はこのところ新型コロナ対策の最適化に取り組んでいるとして、健全な経済成長の促進に資すると指摘。2023年の見通しについて、中国経済全体が回復すれば、世界経済の成長に重要な原動力となり、世界経済全体の安定に貢献するとの見方を示した。
英キングス・カレッジ・ロンドン中国研究所で中国経済学を専門とする柯陽 (Jan Knoerich)准教授は「中国は全ての国と企業にとって重要な経済・ビジネスパートナーとなっている」とした上で、中国のさまざまな事業やその経済発展が世界経済に影響を及ぼしていることに間違いはないと語った。
タイ大手銀行カシコン銀行のシニアバイスプレジデントWichai Kinchong Choi氏は、2023年の世界経済は不確実性に満ち、厳しい試練に立たされる見通しだが、中国経済は高い回復力を備え、円滑な運営と質の高い発展をより重視することから、世界経済に大きな安定をもたらすだろうと語った。
中国税関の統計によると、2022年の1〜11月の中国の貿易総額は前年同期比8.6%増の38兆3400億元に上り、安定した成長を遂げた。
スイスの資産運用会社ピクテ・アセット・マネジメントのチーフ・ストラテジスト、ルカ・パオリーニ氏は、中国経済は2023年には持ち直すだろうと指摘。コロナ禍で抑え込まれていたペントアップ需要が顕在化し、消費をさらに押し上げる見通しで、中国経済の成長に寄与するだけでなく、世界経済の成長にも強い追い風となるとの見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年1月24日