タイ税関の統計によると、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の発効後、3万9千品目に上るのタイ製品が協定に基づく特恵税率の適用を受け、うち2万9千品目がゼロ関税となった。一部の生鮮品については、通関所要時間がこれまでの48時間から6時間に短縮した。
タイ商務省貿易交渉局のオラモン局長は、タイとRCEP加盟国間の貿易総額はタイの貿易総額全体の50%を上回ったとして、RCEPの実施はタイや他の加盟国との貿易を促進する上で大きな効果を上げていると語った。投資分野では、RCEPがカバーする市場と消費者群は非常に大きいため「巨大な市場は、RCEP加盟国からより多くの域外投資を呼び込むことができる」としている。
カンボジア商務省が発表したデータによると、2022年上半期のRCEP加盟国向け輸出額は32億8千万ドルと、前年同期比で10%近く増加した。同省の副国務秘書兼報道官ビン・ソルベ氏は、RCEPとカンボジア・中国との自由貿易協定(FTA)は自国の輸出拡大を促進する重要な要素だと強調。「RCEPのおかげで、より多くの製品を他の加盟国に輸出でき、より広く市場を開拓できた。長期的にみて、この二つの自由貿易協定はカンボジアの経済成長を継続的に押し上げるだろう」と語った。
ベトナムの水産物輸出もRCEPの発効により大幅に増加。足元でベトナムは世界160余りの市場に水産物を輸出しており、うちRCEP加盟国向けの輸出は全体の63%以上を占めるまでになった。昨年1~10月の水産物輸出額は95億ドルと前年比で34%増加した。同国のグエン・ホン・ディエン商工相は、RCEP関連規則やその他の優遇措置の実施は、ベトナム企業の原材料供給の多様化と最適化を促進し、生産性や製品の品質、競争力の向上、新たなサプライチェーンの拡大、国際貿易と経済成長の促進につながると語った。
RCEPは、貿易と投資の自由化と利便性向上など、あらゆる面を網羅しており、その発効は加盟国間の経済貿易協力と地域経済の統合を効果的に促進し、アジア太平洋地域の経済、貿易、金融協力に新たな機会をもたらす。
アナリストは、RCEPが昨年1月1日に発効して以来、加盟国間の貨物貿易コストが大幅に削減されたと指摘。地域の産業チェーンやサプライチェーン、バリューチェーンの本格統合を効果的に促進し、地域経済回復への自信を大いに高め、地域ひいては世界の貿易投資の拡大に新たな原動力を注ぐとの見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年2月12日