米財務省、米連邦準備制度理事会(FRB)、米連邦預金保険公社(FDIC)は現地時間12日に声明を発表し、「システマティックリスク」により米シグネチャーバンクが同日、ニューヨーク州金融サービス局によって閉鎖されたと発表した。シリコンバレー銀行(SVB)の閉鎖から3日後の閉鎖となった。米国で銀行の経営破綻が相次ぎ、「ドミノ現象」の金融業ひいては経済全体への衝撃を防ぐべく、米連邦政府が緊急介入を余儀なくされている。
SVBの経営破綻が浮き彫りにした、FRBによる急激な利上げの悪影響に注意が必要だ。米スタートアップ企業は近年多くのベンチャー投資を集め、さらにFRBが超低金利を維持したことから、SVBは巨額の利益を手にしていた。ところがFRBは物価高に対応するため、昨年より何度も急激な利上げに踏み切っている。さらに米国の技術産業の大幅な人員削減、テック銘柄への衝撃、ベンチャー投資の減少を受け、スタートアップ企業が続々と預金を引き出した。SVBはこれらの備えをせず、現在の苦境に陥った。
SVBの経営破綻の根本的な原因、つまり利上げ後の高金利によってさらに多くの銀行に問題が生じるかについては、依然として明確な答えが見つかっていないと分析されている。
南アフリカのコンサルティング会社の重役は、「SVBの経営破綻は米国の小規模な銀行に影響を及ぼし、さらに欧州、アジア、南アフリカの一部の銀行と、欧州、アジア、米国と交流のあるアフリカ諸国に影響を及ぼす。そのためアフリカが影響を受けることは間違いない」と述べた。
ジャネット・イエレン米財務長官は現地時間12日の取材で、「テック業界は景気後退の影響を常に受けており、大規模な人員削減が生じたが、SVB問題の中心はテック業界の問題ではない。米国の金利が上がる環境において、同行が所有する債券などの金融資産の市場価値が続落したことがそれだ」と述べた。
FRBは過去1年で8回連続で利上げに踏み切った。金利の誘導目標はすでに4.5−4.75%に上がっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月14日