多くのメディアと観測筋は米国の銀行の相次ぐ経営破綻について、企業の経営不振に最も直接的な責任を持つべきは銀行の管理層であり、米国の金融監督管理及びマクロ政策の不備もしくはミスこそが本件の最も反省すべき点だと見ている。
まず、米国の内部紛争により金融監督管理の力が揺らいでいるという実態が、今回の件で完全に浮き彫りになった。
米議会は2010年に金融監督管理改革法案「ドッド=フランク・ウォール街改革・消費者保護法」を可決した。資産額が500億ドルを超える銀行はFRBの年間健全性テストを受けると規定した。これにはより厳しい監督管理により、2008年のリーマン・ショックの再来を防ぐ狙いがある。
トランプ政権発足後、共和党員は2018年に同法案の改正を議会に働きかけ、資産額のハードルを2500億ドルに上げた。これは資産額が約2000億ドルのシリコンバレー銀行は健全性テストを受ける必要がないことを意味する。
シンガポール国立大学客員教授の白士泮氏は、「健全性テストは銀行による資産リスク評価を支援する有効手段だが、この規制緩和はシリコンバレー銀行の経営破綻の伏線となった」と述べた。
業界関係者によると、シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行のリスクは早くから財務諸表に現れていた。国債保有関連の帳簿上の損失が持続的に膨らんでいた。FRB元理事のダニエル・タルーロ氏は、「監督管理機関にとって、(帳簿上の損失の)急増は常に危険信号であるべきだ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月16日