ドイチェ・ヴェレの中国語サイトは18日、「中国自動車市場で価格競争が発生、ドイツ車メーカーは大リスクに直面」と題した記事を掲載した。要旨は下記の通り。
中国国内の自動車市場を観察すると、今年の主な基調は「値下げ」になっている。業界関係者によると、中国の自動車業界でこのような激しい競争が発生したことはない。「利益かシェアか」は、多くの自動車メーカーが突きつけられた苦しい選択になっている。
ドイツの有名な自動車専門家であるデューデンホッファー氏は、「今回の価格競争は特に激しい。テスラが価格競争を仕掛け、市場で独占的な地位を占めようとしているからだ」と指摘した。テスラの上海の工場は利益率が25%と非常に高いが、その他の自動車メーカーはこれに及ばない。
ドイツ車メーカーも値下げの渦に巻き込まれた。テスラが電気自動車(EV)の中国での販売価格を数回引き下げた後、BMWやVXなどのドイツ車メーカーも値下げを開始した。
デューデンホッファー氏は、「現在の価格競争はドイツ車メーカーにとって大きなリスクだ。ドイツブランドは中国で高い利益率を保ってきたが、今や利益の大幅減の問題に直面している。ドイツ車メーカーにとって重要なのはEV関連のより高いシェアを占めることだが、その競争は最も激しい」と述べた。
中国で市場シェアを保つためにはどうすべきか。独ビジネスメディアは15日の記事でVWを例とし、ドイツ車メーカーが中国で迎えている挑戦について検討した。「VWはコスト削減と新車発売に取り組むしかない。既存の車種の販売価格が競合他社と比べ高すぎるからだ。ただしコスト削減は短期的には不可能だ。つまりVWは利益率を犠牲にし、中国での市場シェアを支えなければならないということだ」
デューデンホッファー氏は、「中国は自動車戦略でEVに賭けているが、ドイツ車メーカーはEVの技術的な強みを持たない。欧州は2035年より内燃エンジン車の新車販売を禁止する予定で、ドイツ車メーカーもこの問題と向き合い処理しなければならず、そのためEVにすべての力と時間を注ぐことができない。中国はEVという一つの戦略に専念するだけでいい。これはドイツ車メーカーが中国と時間を競う必要性を意味しているが、彼らに残された時間は多くない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月20日