北京商報の調べによると、中国が上海で建造中の初の国産大型クルーズ船の内部の付帯工事及びシステム調整が進められており、年内に交付される見込みだ。
設計・建造の難易度が極めて高いことから、大型クルーズ船はLNGタンカーや空母と共に、造船工業の「王冠の最も輝かしい宝石」とされる。これは一国の設備建造能力及び総合的な科学技術水準を直接反映し、中国人が現在まだ掴み取っていない最後の宝石でもある。
世界ではこの百年以上に渡り、イタリアのフィンカンティエリ、ドイツのマイヤー・ヴェルフト、フランスのアトランティーク造船所などの少数の欧州造船所しか大型クルーズ船を設計・建造していなかった。
中国船舶渤海造船場集団有限公司党委書記で会長の胡徳芳氏によると、大型クルーズ船の設計・建造はその他の船舶の理念と完全に異なり、「1隻の船は動く海上都市」と言える。
胡氏は、「大型クルーズ船は名実相伴う巨大システムエンジニアリングだ。世界で最も複雑な単一機械・電力製品で、中国初の大型クルーズ船の場合は計136のシステム、2万セット超の設備、2500万個の部品、4200キロの電気ケーブル、350キロのパイプ、450キロのダクトがある。世界の500社超のサプライヤーがプロジェクトに101のターンキーを提供し、約5000人の作業員が現場で作業し、竣工には1200万マンアワー超が必要だ。その構造の特殊性、プロセスの複雑性、建造の難易度、世界的なサプライチェーンの連携は、中国の船舶工業にとって未曾有の挑戦だ」と述べた。
情報によると、初の国産大型クルーズ船は5月末にドックから出る予定だ。その後7、8月に2回の試験航行を行い、クルーズ船の機械性能と快適度を全面的に検証し、交付・運営に向け基礎を固める。
クルーズツアーは中国の観光消費モデル転換及び高度化の重要な内容だ。その独特な海洋の特色と体験型の特徴により観光客の独特なライフスタイルを形成する。同時に衣食住、観光、ショッピング、娯楽を一体化させたワンストップの行き届いたサービスは、人民の美しい生活への憧れを叶える重要な手段であり、すでに「内需拡大戦略計画綱要(2022-35年)」に盛り込まれている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月21日