欧米の銀行業、システマティック・リスクを短期間内に解消できず

中国網日本語版  |  2023-03-22

欧米の銀行業、システマティック・リスクを短期間内に解消できず。

タグ:欧米の銀行業 システマティック・リスク

発信時間:2023-03-22 15:34:49 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 UBSががクレディ・スイスを買収してから初の営業日に、欧州及び米国市場の銀行株が大きく変動した。これは投資家のマインドがいまだ回復していないことを反映した。国際観測筋は、欧米の銀行業に対する市場の信頼の危機が深まり、業界の株価下落や全体的な流動性などのより広い範囲に蔓延し、システマティック・リスクを短期間内に解消できない恐れがあると見ている。

 機関の専門家は、クレディ・スイスの買収額は先週金曜日の時価総額の約40%のみで、投資家のマインドの回復は困難との見方を示した。スイス金融当局は約160億スイスフラン相当のAT1債(その他ティア1債)を無価値化するとし、AT1債投げ売りの恐慌を引き起こし、銀行業の融資の難易度をさらに上げた。

 これはAT1債にとって最大規模の無価値化となる。欧州のAT1債券の市場規模は現在約2500億ユーロ。2017年にスペイン・サンタンデール銀行が1ユーロでバンコ・ポピュラールを買収した際には13億5000万ユーロ相当のAT1債が無価値化された。

 金融専門家は、銀行の危機に対応するためAT1債を無価値化することには合理性があるが、株主よりも先に債権者にすべての損失を被らせるというやり方は国際的な慣例に合致せず、多くの投資家にとって意外だったと述べた。

 独シンクタンク「ドイツ経済研究所」のMarcel Fratzscher所長は、「クレディ・スイスのケースは、系統的な重要性を持つ大型銀行であっても危機に陥る可能性があることを示した。これは投資家と預金者の恐慌を生む」と述べた。

 シティグループのアナリストは、「UBSのクレディ・スイス買収は危機の蔓延とその他の機関の懸念を弱めたが、中長期的に見ると救助行動は銀行の借り換えのコスト増を招く」と述べた。

 ゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファイン元CEOは、「金融機関はより大きなリスクに直面することで投資と借り入れを抑える。経済成長率の低下が不可避かもしれない」と述べた。

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月22日

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