米連邦準備制度理事会(FRB)は22日に0.25%の利上げを発表した。また、米国で最近2つの銀行が閉鎖されたことに伴う銀行業の変動の経済への影響度は未だ不明瞭であり、物価高の抑制が依然としてFRBの注目点になると表明した。FRBの利上げは銀行の取り付け騒ぎをさらに激化させ、銀行業の危機が続く可能性があるとも分析されている。
消費者金融サービス「バンクレイト」のデータによると、FRBが短期金利を急速に引き上げる中、マネー・マーケット・ファンドの利回りが4.5%に近づきつつあるが、米国の全国平均の預金金利は依然として0.3%未満だ。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、「シリコンバレー銀行の閉鎖により、多くの預金者と企業が資金を収益率の低い銀行口座から高いマネー・マーケット・ファンドに移し、銀行の取り付け騒ぎを激化させる恐れがある」と指摘した。
JPモルガンが発表した最新の流動性報告によると、シリコンバレー銀行の閉鎖から1週間内に多くの預金者が恐慌に陥り、米国の銀行業から5500億ドル弱の預金が流出した。
流動性逼迫の圧力を受け、米国の銀行業のFRBからの資金借り入れが過去最大になっている。FRBのデータによると、15日までの1週間の銀行のFRBからの借り入れ総額が1528億5000万ドルにのぼり、前週の45億8000万ドルと、リーマンショック中のピーク(1週間で1110億ドル)を上回った。同時にFRBが12日に新たな銀行定期融資計画を発表すると、条件を備える貯蓄機関が3日内に同計画により約119億ドルの融資を得た。
ニューヨーク連邦準備銀行の元重役、資産管理会社PGIMリアルエステートのチーフグローバルエコノミストであるダリップ・シン氏は、米国は「大規模な信用危機」に直面しているとの見方を示した。
FRBの観測筋で、某コンサルティング会社のチーフエコノミストであるティム・デューイ氏は報告の中で、FRBは政策のリスクに直面していると記した。FRBの利上げと同時に銀行の閉鎖が倍増すれば、「政治的に非常に深刻な結果を迎える」ことになるという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月24日