ロボットも茶摘?その難易度は「畑で刺繍」

中国網日本語版  |  2023-04-10

ロボットも茶摘?その難易度は「畑で刺繍」。

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発信時間:2023-04-10 11:17:18 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 茶摘みはほぼ人の手で行われる。特に銘茶と明前茶は収穫期が短く集中している。例えば高級な龍井茶の茶葉を500グラム作るためには約4万枚の芽を摘む必要がある。茶農家の平均年齢が上がり、人材不足と人件費の高騰が深刻化している。

 茶農家の生産増と所得増を支援するため、浙江理工大学の武伝宇教授はチームを率い、スマート茶摘ロボットを研究開発した。今年ですでに第5世代になっている。

 人が生い茂る茶の木の中から新芽を識別するためには眼力と豊富な経験が必要だが、このロボットは人工知能(AI)を利用する。大量の画像データの学習により、新芽の自動識別を実現する。

 スマート茶摘ロボットには優れた2つの「目」がある。双眼カメラで茶葉をスキャンし、人の目と同じように3次元測位を実現することで、新芽の場所を正確に発見する。

 情報によると、ロボットアームによる茶摘は、カットと吸入という2つのステップに分かれる。ロボットアームの先端には小さなハサミがあり、測位情報に基づき新芽の葉柄を探し、芽を枝から切り離す。同時にロボットアーム先端の負圧ストローにより、これをロボットアームの一時保管ケースに吸入する。

 一般的に早春の茶の芽と葉のサイズは2センチほどで、葉柄は数ミリのみだ。そのためロボットアームの操作は非常に高精度である必要がある。ズレが生じれば枝先を破壊するか、不完全な形で芽を切り落とすことになる。チームのメンバーは研究開発の難しさについて、「これは畑で刺繍をさせるようなものだ。茶摘ロボットがミリ級の作業を完了できるようにしなければならない」と述べた。

 現在は1本の芽の収穫にかかる時間は1.5秒ほどで、1時間で2000本超に、1日で2キログラムほどになる。これはまだ人の手のスピードに及ばない。陳建能氏は、「今後は改良により、1台のロボットで3-5人分の作業効率を実現できるようになる」と述べた。

 従来の茶摘ロボットはレール方式を採用し、丘陵地に適応できる。西湖龍井茶生産地で今年実験中の第5世代スマート茶摘ロボットはすでに履帯を採用しており、前後に移動でき、緩やかな斜面に適応できる。

 チームのメンバーによると、第5世代の識別の精度は現在すでに86%に、収穫の成功率は60%以上にのぼっている。収穫の精度はこれまでの世代より大幅に上がっている。

 同ロボットは現在まだ実験室内の段階にある。チームは今後も研究開発を続け、収穫の効率と質を高める。

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年4月10日


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