国際通貨基金(IMF)のスティーブン・バーネット中国駐在上級代表はこのほど、「中国の経済成長は非常に力強く、GDP成長率が1ポイント上昇するごとに、その他の経済体の成長率を0.3ポイント押し上げる可能性がある」と指摘した。IMF中国駐在代表事務所と中国人民大学国際通貨研究所(IMI)、中国国際金融学会、中国銀行研究院が共催した2023年のIMF世界経済見通しを発表する会合で明らかにした。
最新のIMF世界経済見通しは、インフレや公的債務、地域経済の分断化、海外直接投資(FDI)などについて、世界経済と世界のあらゆる国・地域の今後の成長に関する予測や見通しを提供している。
バーネット氏は、世界経済の成長率のうち1ポイントは中国が寄与したもので、世界経済の成長の3分の1を占めると指摘。中国の成長率が1ポイント上がれば、その他の経済体に0.3ポイントの波及効果をもたらすと語った。
世界経済見通しでは、中国政府が追加の金融緩和や企業所得税の減免措置、高齢者向けの新たなワクチン接種目標、未完成の不動産物件の完成と引き渡しを促す措置など、さまざまな施策を講じたと言及。中国が新型コロナウイルス感染予防・抑制対策を最適化したことで、流動性が徐々に正常化し、小売売上高や旅行予約者数などの経済指標が持ち直し始めたとした上で、「中国経済の回復加速の勢いはプラスの波及効果をもたらす。(中国との)貿易関係が緊密で、かつ中国人観光客への依存度が高い国々への波及効果はより大きくなる」との見方を示した。
IMF経済顧問兼調査局長のピエール・オリヴィエ・グランシャ氏は「最適化したコロナ対策により、中国経済は力強く回復している。このことは世界経済にとって大きな利益をもたらし、中国は世界の経済成長をけん引する重要なエンジンになるだろう」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年5月1日