中国の越境取引における人民元の使用が今年3月、初めて米ドルを上回った。これは中国のドルへの依存を減らす取り組みのマイルストーンだ。ブルームバーグインテリジェンスが中国国家外貨管理局のデータに基づき実施した研究によると、中国の越境収支に占める人民元の割合は、2010年の約0%から今年3月末の48%に上がり、過去最大となった。データによると、ドルの割合は同時期に83%から47%に低下。この割合は、中国大陸部を通じた香港資本市場との証券取引などの、すべての取引から導き出されたものだ。米ブルームバーグが伝えた。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアジア外国為替・金利担当チーフストラテジストである趙志軒氏はレポートの中で、「人民元の使用の増加は、中国の資本勘定開放の自然な結果で、中国大陸部に流入し、香港から流出する債券が増えている」と記した。中国国家外貨管理局の報道官は21日の会見で、「人民元の越境使用における割合が持続的に上がっているが、これは越境取引における通貨ミスマッチのリスクを解消する」と述べた。中国メディアの25日の報道によると、中国政府はこのほど通達した、貿易促進を狙いとする意見の中で、「中国は越境貿易における人民元建て決済の規模をさらに拡大する」と表明した。
DBS銀行(香港)のエコノミストの梁兆基氏は、「他国がリスク分散のため代替決済通貨を模索しており、かつ米連邦準備制度理事会の信頼も以前に及ばないことから、人民元のグローバル化が加速している。しかし人民元がドルの主導権に挑むためには、まだ長い道を歩む必要がある」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年4月29日