第2四半期以降、各地の電力負荷がピーク値に達し、ハイテク製造業の電力消費量が大幅に増加し、サービス業の電力消費の需要が旺盛だ。
電力は経済を観察するための重要な窓だ。電力負荷や電力消費量などのデータを始めとする「電力指数」は、中国経済のモデル転換と高度化の加速、全体的に安定しつつ好転という積極的なメッセージを届けている。
電力消費量は経済運行を反映する「バロメータ」だ。国家エネルギー局のデータによると、今年1−4月の中国の全社会の電力消費量は前年同期比4.7%増の累計2兆8103億kWhだった。また4月には29エリアの全社会の電力消費量が増加し、うち12エリアの伸び率が10%を超えた。
中国電力企業連合会の責任者は、「今年のマクロ経済運行の全体的な回復は、電力消費の需要増を促す。第2四半期は電力消費量の伸び率が大幅に上がり、通年の全社会の電力消費量の伸び率は6%前後になる」と予想した。
電力消費構造の変化、ハイテク製造業の発展の加速を反映
国家統計局のデータによると、5月の設備製造業PMIは依然として景況判断の分かれ目となる50を上回った。電気機械設備や新エネ車などの有力産業のPMIが好況を維持したことが分かる。
東高科技の首席テーマ研究員の尹鵬飛氏は、「政策と経済回復が重なり、産業のモデル転換と高度化が加速した。各地のハイテク製造業の生産高が急増し、工業経済の成長をけん引する重要な原動力になった。ハイテク・設備製造業の電力消費量の伸び率は、第2四半期も増加の流れを保つ見通しだ」と述べた。
サービス業の電力消費が旺盛に
国家エネルギー局のデータによると、1−4月の第3次産業の電力消費量は前年同期比7%増の4852億kWhだった。うち4月は国内の飲食や文化観光などのサービス業の消費が良好な回復の流れを保ち、第3次産業の活況度の大幅な向上をけん引した。
国網エネルギー研究院有限公司経済・エネルギー需給研究所マクロ経済研究室主任の呉姗姗氏は、「サービス業は工業よりも気温に敏感だ。国家気候センターの予測結果によると、今夏の気温が例年を上回り、サービス業の冷房のための電力消費の需要が拡大する見込みだ。経済の持続的な好転と冷房の需要増という2つのけん引を受け、サービス業の電力消費の伸び率がさらに上がると見られる」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年6月6日