ニュージーランドメディア「Newsroom」は7月9日にウェブサイトで、「『一帯一路』は東南アジアの明るい希望、中国がASEANを通じて東南アジア諸国との経済関係を強化」というタイトルの記事を掲載した。中国が最近、ASEANとの自由貿易協定をさらに進めたことで、もう一つの重大プロジェクト「一帯一路」構想が注目されている。

　「『一帯一路』構想は欧米諸国から中国による世界秩序への挑戦と見なされることが多いが、ASEANにとっては重要な構想となる。ASEANは2000年以降、中国の周辺で発展してきた地域経済体だ。中国は人口がASEAN諸国の総人口の約2倍で、経済規模もはるかに大きい。中国南西部はASEAN諸国の多くと国境を接しているため、現在多くのプロジェクトが進められている。

　中国はラオスの首都ビエンチャンと中国南西部の昆明を結ぶ国際鉄道に資金を提供している。カンボジアでも中国の投資によって高速道路、通信衛星、国際空港のプロジェクトが進んでいる。中国は東ティモールで高速道路や港湾の建設に投資し、中国企業は送電網の運営・維持管理プロジェクトを落札した。インドネシアの公共交通と鉄道は「一帯一路」構想の恩恵を受けている。ベトナムにも新しい軽量軌道交通が開通した。1980年代後半以降、中国の対ミャンマー投資額は海外投資のうち最も多い。シンガポールは「一帯一路」構想のパートナーであるだけでなく、アジア投資銀行の創設メンバーでもある。

　ASEAN諸国の多くは「一帯一路」構想について、インフラ建設と国内経済を促進するチャンスと見なしており、その背景には世界経済の成長が鈍化するとの見通しがある。ASEANのうち「一帯一路」構想の最大の受益者は、中国の提案を受け入れ、協力を通じて自国が債務の罠に陥らないようにした中規模経済国だ。突発的で壊滅的なショックがない限り、中国は富の分配と世界成長の後押しにおいて重要な作用を発揮し続ける見通しで、中でもASEAN諸国に対する作用は大きい。

　ASEANの経済規模が比較的小さい国は「一帯一路」協力プロジェクトを締結した際、中国の寛大な借款に頼った。しかし「一帯一路」構想に参加すれば、ASEAN諸国は債務を返済し、関連プロジェクトの潜在的利益を見積もれるため、同構想はこの域内経済にとって「強心剤の注射」であり続けるだろう。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2023年7月22日