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周牧之:誰が中国を養っているのか?

中国網日本語版  |  2023-12-07

周牧之:誰が中国を養っているのか?。

タグ:中国 食糧

発信時間:2023-12-07 21:46:03 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 5.中国の農業生産性が最も高い地域はどこか

 中国は食糧問題にどう取り組むべきだろうか。中国には297の地級市以上の都市があり、雲河都市研究院は、これらの都市すべての農業生産性、すなわち「耕地面積当たりの第一次産業GDP」を比較分析した。

 その結果、中国で農業生産性が最も高い30の都市は、三明、竜岩、福州、寧徳、舟山、汕頭、南平、漳州、楽山、麗水の順に並ぶ。11位から30位までの都市は、茂名、莆田、潮州、長沙、株洲、三亜、台州、肇慶、海口、巴中、儋州、萍郷、杭州、紹興、寧波、黄山、掲陽、泉州、広州、仏山である。トップ30位の都市はすべて南部に位置している。その中には、福州、長沙、海口、杭州、広州など、省会(省政府所在地)大都市も多く含まれている。

 「緑の革命」は農業生産性の南北格差をもたらし、資金や技術の面での投入力が高い地域で、農業がより発展する。農業生産性のランキングは、この現象が中国でも顕著であることを示している。もちろん、農業生産性に影響を与える要因には、気候、土地資源、水資源、農作物の品種などもあろう。しかし、北部に比べ、南部が農業により多くの投資をしていることは見逃せない。

 換言すれば、北部の農業には、まだ大きな収益向上の余地がある。農薬や化学肥料に過度に依存せず、よりスマートに、より高度な技術を用いて農業をするならば、北部の農業には大きな可能性がある。私はこうした取り組みを「新・緑の革命」と呼びたい。

 中国は、主食の問題を自給自足で解決した。さらに飼料用穀物を大幅に増産し、世界の食糧貿易への負荷を緩和する必要がある。そのため、農業への投資を大幅に増やし、農業を高生産性、高品質、高収益の産業に昇格させる必要がある。「新・緑の革命」を通じて、人々をただ満腹させるだけでなく、安全で豊かで健康的な食を保障しなくてはならない。

 6.開発輸入の重要性

 今から25年前の1990年代末、私は、ユーラシアに跨る国際協力プロジェクトの企画に参加した。冷戦終結後、中央アジア地域には多くの資源がアクセス可能となった。私は、ユーラシア大陸を横断するインフラ建設で日中協力を提案し、中央アジアのエネルギーと食糧を上海や連雲港に運び、それを日本や韓国など東アジアの国々と共有する構想をした。

 同構想はカスピ海から中国沿岸部に至るガス・石油パイプライン、鉄道、高速道路、光ファイバー網の整備を含み、「ユーラシアランドブリッジ構想」と呼ばれた。主な目的は、中国そして東アジアの発展に必要とされるエネルギー資源や食糧の安定供給を図り、来るべき世界の需給ひっ迫を緩和することであった。 

 私は1999年4月1日、『現代版「絹の道」、構想推進を―欧州から日本まで資源の開発・輸送で協力―』とのタイトルで日本経済新聞に記事を寄稿し、このプロジェクトを公開、国際的な注目を集めた。

 同構想の核心は、輸出先の安定した供給能力の開発を前提とした「開発輸入」というコンセプトである。食糧貿易やエネルギー貿易において、最大の課題はその変動性を最小限にすることである。開発輸入とは、輸入国と輸出国が共同で投資し、長期的な協力を通じて変動性を低減する概念である。上記構想は、ユーラシア大陸における石油や天然ガス資源と、膨大な穀倉地帯の潜在的な可能性に鑑み、国際共同参画の開発輸入を進め、中国及び東アジアのエネルギー及び食糧の安定供給を計るものであった。当時未だエネルギーも食糧も純輸出国だった中国が、将来、一大輸入国に転じると私は予測した。

 同構想の国際協力において江沢民主席と小渕恵三首相の間に一時、日中両国の同意が得られたものの、その後日本の参加は見送られた。しかし構想の予測が見事に当たり、中国はエネルギーそして食糧の一大輸出国に転じた。中国から中央アジア方面へのパイプラインの建設も着々と進んでいる。

 「開発輸入」のコンセプトは、その後中国が提唱する「一帯一路」にも取り入れられた。

 今日、このフォーラムには40以上の国・地域から参加者が集まっている。一部は食糧を輸入する国から、一部は輸出する国から来ている。互いに協力し合って開発輸入を活用し、世界の食糧問題を真に解決するよう期待したい。

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年12月7日

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