TheDiplomatは2023年12月29日にウェブサイトで、キルギス人学者のアディナ・マサルベコワ氏とウズベキスタン人学者のニゴラ・タンガタロワ氏の共著記事「中国の『教育シルクロード』によって中央アジアの若者に何が起きたのか」を掲載した。記事の概要は以下の通り。
「一帯一路」構想提唱10周年(2023年)を迎え、中国はカザフスタンとの一連の投資・貿易協定を含む多くの協定を中央アジア各国と結んだ。
中国の同地域に対する関与の拡大は、現地にいる若者の生活にも影響を及ぼしている。2000年から2017年の間に、中央アジア諸国から14万4000人を超える学生が中国の大学に留学したことは、中央アジアの青年に対する中国の大きな影響力を示している。
中国政府が2015年に発表した「一帯一路」共同建設ビジョンおよび行動文書では、学術交流の重要性が強調され、二国間および多国間協力の推進に対する大衆の支持を高める後押しとなった。中国の健康やデジタル分野に対する投資が「健康シルクロード」や「デジタルシルクロード」と呼ばれることがあるように、教育分野での国際協力は「教育シルクロード」とも呼ばれる。
中国政府は国内の外国人留学生に対する奨学金の提供や海外で孔子学院などの機関設立を通じて、中国語教育を進めて中国に対する外国人の理解を深めてきた。中央アジアでは2023年までに、カザフスタンで5カ所、キルギスで4カ所、ウズベキスタンとタジキスタンで2カ所ずつの計13カ所の孔子学院が設立された。
アンケートの回答者は一様に、教室の設備、組織の管理、知識のプレゼンテーションにおいて、中国の教育の質がウズベキスタンやキルギスよりもはるかに優れていると答えた。
ウズベキスタン人の若い女性は、中国での生活が自国での生活に比べて格別に快適だと感じている。「学習環境と経済的支援は若い女性がより自立し、社会における自身の役割をより理解するための良い機会を与えてくれる」とある回答者は話した。
ウズベキスタン人の回答者は総じて「中国での学歴を持つ若者は仕事を見つけやすく、安定した職位と平均を上回る給料を得られる」と考えている。つまり、ウズベキスタン人の中国語課程卒業生は、翻訳と通訳から管理職や教職に至るまでさまざまな職業に就けるということだ。これは、ウズベキスタンに中国系企業や中国資本企業が多いことと関連している。2022年末時点で、こうした企業は2141社に上った。
多くの人にとって、中国での経歴は海外の別の場所で生活する可能性をもたらす。上海にある大学の卒業生は「中国での経歴は自力での生活を可能にし、他の場所に移住する可能性を広げてくれた」と話す。若者にとって中国に留学した経歴は、他国への留学を申請する際に自身の強みになることが多いという。
世界各国から中国に来る留学生と外国人労働者に触れ、より多様な国際環境を体験することは、外国人学生にとって貴重な新天地を開くことにもなる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年1月7日