キワタのデザインが入った青地に赤い印章に黒い字の証憑、広州市1枚目の「房票(住宅券)」が正式に住民に発給された。これは広州市の住宅券制の模索の実質的な一歩目を象徴する。
広州1枚目の住宅券が発給
説明によると、荔湾区土地開発センターは石圍塘プロジェクトを試行対象とし、全市に先駆けて第1期「住宅券立ち退き」を実施する。発給済みの住宅券には住宅のタイプ、住所、券面額、政策性奨励金額、使用・元利払い期限などの情報が明記されている。本人もしくは直系親族が「定点入庫」の新築分譲住宅を購入できる。
強調しておく必要があるが、広州市は伝統的なやり方に基づき「回遷房」と現金という2つの手段により被徴収者に補償を行う。住宅券立ち退きは既存の現金補助及び実物立ち退き方法を補充する形式に過ぎない。住民に一つの選択肢を提供するもので、強制性はない。
荔湾区から試行を開始する理由は?
広東省住宅政策研究センターの李宇嘉首席研究員は、住宅券立ち退きが多くの人の利益になることについて、「市場にとってのメリットは立ち退きの需要を住宅市場に向けられることだ。デベロッパーにとっては、特定方向に在庫を処理できる。改修の主体にとっては回遷房を建設する必要がなく、一時移転費を払う必要がない。政府にとってはスペースを確保することで、公共施設や保障性住宅を建設できる」と説明した。
中指数据によると、荔湾区の新築住宅の販売可能な面積は昨年12月現在で約84万6000平方メートルで、広州中心4区のうちトップだ。全体的な販売期間は約21.6カ月で、全市平均水準を上回り、在庫の負担が比較的大きい。
さらに広州全体に目を向けると、住宅券はすでに新時代の広州の老朽住宅地改修の立ち退きルートの一つに確定されている。全市の新築住宅の在庫解消が長期になり、今後十数年に渡り100近くの村の老朽住宅地改修を推進し、さらに片区総合改修を実施することを考慮すると、将来的に新築住宅の量が増える見込みだという。
城中村の改修が注目点に
住宅券政策は現在、「城中村」(都市部の老朽住宅地)の改修を急ぐための「比較的実行可能な選択肢の一つ」になっている。各地で住宅券制度が導入される裏側には、都市更新という「沃土」がある。
中信証券は研究報告書の中で、城中村の改修は今年の不動産政策の見所の一つとした。中国の超大・特大都市の城中村の常住人口は約4000万人と見積もられており、その改修がけん引する住宅の需要と都市更新投資は経済の重要な影響要素だ。城中村の改修期間は10年ほどになり、毎年約1兆元の直接投資額を生むと見られる。城中村の改修の全期間の投資額は10兆元にのぼる見込みだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年1月9日