筆者は最近、中国大陸部の1週間の旅を終えた。大陸部のモバイル決済の活用ぶりに夢中になった。以前の大陸部旅行では現金によって大半の決済を行い、クレジットカードにより巨額の支払いを行っていた。そのため筆者は大陸部で流行している2大モバイル決済システムの微信支付（ウィーチェットペイ）と支付宝（アリペイ）のアカウントを作っていなかった。しかし大陸部で最近キャッシュレス化がますます進んできたという情報に懸念を抱いた。一部の店が現金でお釣りを出せず、観光客を困らせているというのだ。20日付香港紙「南華早報」（筆者＝April Zhang）が伝えた。

　そこで筆者は出発前に微信支付のアカウントを作った。飛行機を降りてから帰宅する便に乗るその瞬間まで、すべての決済が非常にスムーズになったため、やっておいてよかった。QRコード決済はほぼ至る所にあり、数秒で決済できる。筆者は初めてオンライン配車アプリのサービスを利用した。硬貨や紙幣の使用を省け便利で、ぼったくりにもあわない。筆者は旅行中、モバイル決済のさまざまな利便性を体験した。最高だったのは帰宅した後にクレジットカードの請求書が届かず、為替レート面の問題もなかった。経営者である筆者はモバイル決済アプリの手軽さを重視している。数十年前に出納係だったころ、帳簿が合わないことで給料を引かれることがあった。このような苦しい経験を持つのは筆者だけではない。キャッシュフリーの決済はこのリスクを解消した。

　電子決済の使用経験により、筆者は紙幣の歴史を思い出した。マルコ・ポーロが当時、中国は紙幣を使っていると言うと、欧州人から疑いの目で見られた。しかし彼らは最終的に理解し、1661年に西側初の紙幣が発行された。歴史は今日、再演されているようだ。中国では目下、優れた決済システムが普及中だ。中国のデジタル人民元がより広範に使用されると、関連システムもさらに改善される。

　微信支付は今回の大陸部旅行の主な決済手段だったが、筆者は現金も携帯していた。店が現金を拒否というニュースを見ていたので、実際はどうなのだろうかと好奇心を持った。筆者は現金を3回使ったが店から拒否されず、お釣りも出た。ニュースにあった観光客の経験は少数のケースなのかもしれない。ただ次に大陸部を訪れる時に現金を持つことはないだろう。モバイル決済が素晴らしく、この体験を逃したくないからだ。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2024年3月22日