インドの雇用危機は製造業の面で最も顕著だ。インドの当局者は近年、リスクとコストが拡大する中国以外に新たなサプライチェーンを構築するため、企業は自ずと中国からシフトすると考えてきた。ところがアップルなどの少数のケースを除くと、インドのグローバル企業誘致の状況は予想に遠く及ばない。米ブルームバーグが伝えた。
また、インドが世界の海外直接投資の導入に占める割合も下がっている。これはインド政府の時代遅れの考え方のせいだ。今や自国で高付加価値製品を完全に生産できる企業も国も存在しない。
各種ロビー団体の圧力を受け、インドの当局者はでたらめに関税を引き上げた。彼らは製造業への補助を増やし製造メーカーを集めようとした。また彼らは中国企業を現地のサプライチェーンから締め出そうと試みているが、このやり方は必ず失敗に終わる。インドの市場規模及びその深みは、グローバル企業がサプライチェーン全体を現地に移しサービスを提供する程度には及ばない。
他にもインドの当局者は、中国を無視できないことを理解すべきだ。中国は現在、大半の分散したサプライチェーンを主導している。そのため完全に中国企業とその製品を排除した新たなサプライチェーンを構築することは至難の業だ。
アップルはそれを熟知している。この米国の大企業はインドでの生産と輸出を大幅に拡大した。そうできたのは、アップルがその中国のサプライヤーに対して、インドでの工場建設を促したからだ。他社はどうだろうか。インドの当局者は引き続き自国の民間部門に対して、中国とのビジネスを減らすよう求めている。中国企業の投資と技術を拒めば、インドは中国の成功を複製することがより厳しくなるばかりだ。
インドの多くの競争相手は異なる。例えばベトナムの当局者は、経済の独立を実現するためには、中国が主導するサプライチェーンで上を目指す必要があることを認識している。ベトナムの当局者は中国からの輸入を恐れない。そのためベトナムが2020年に輸入した中間製品及びサービスのうち61%が再輸出された。
インドは最近、対中投資のルールの一部を修正した。これはインドが同問題を認識したことを意味するかもしれないが、新政権はペースを上げ、やり方を変えるべきだ。さもなければ、憤る有権者が最も必要としているものを今後も提供できないだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年6月12日