国際エネルギー機関(IEA)は12日に発表した2024年中期石油市場報告書の中で、需要増のペースダウンと供給の激増に伴い、世界の石油市場は30年に深刻な供給過剰に直面すると予想した。
報告書によると、アジアで急成長するエコノミーや、航空及び石油化学業界の旺盛な需要が、今後数年に渡り石油消費量の増加を促す見通しだ。しかし電気自動車(EV)の発展、ガソリン車の燃費性能の向上、中東での発電用の石油消費量の減少、経済構造の変化などにより、石油消費量の増加が相殺されるという。
報告書によると、23年のバイオ燃料を含む世界の石油の需要は1日平均で約1億200万バレルだった。現在から30年にかけて世界の石油の需要が安定化し、1日平均で1億600万バレル前後になる見込み。
供給については、主に米国及びその他のアメリカ大陸の産油国による生産能力拡大を受け、世界の石油生産能力が今後数年で大幅に増加し、石油の供給過剰を招く。報告書は、30年までに世界の石油供給能力が合計で1日平均1億1400万バレルに近づき、需要を800万トン上回り、石油市場に重大な影響を生む可能性があると予想した。
ファティ・ビロルIEA事務局長は、「クリーンエネルギーへのモデル転換の推進や、一部の主要エコノミーの経済構造の変化により、世界の石油の需要増が緩慢になっており、30年にピークを迎える」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年6月14日