第22回広州国際モーターショーが盛大に開催中だ。1171台を展示し、うち78台は世界初公開で、512台は新エネ車。展示面積は22万平方メートルで、現在の自動車市場の多様性を示す。中国の2023年の完成車輸出台数は491万台で、日本を抜き世界一になった。通年の輸出台数でリードを維持する見込みだ。
ところが各国の保護主義のエスカレートに伴い、国際自動車市場がより多くの壁に直面している。例えばEUが新たに打ち出した電池規則や「反補助金」関税などの措置は、中国企業と外国企業の競合関係を変えた。中国車の輸出は新たな挑戦を迎えた。これを受け中国自動車産業は方向を明らかにし、系統的に計画し、協力を強化するべきだ。国際市場への理解を深め、イノベーション体制を強化し、専門的な人材を育成するべきだ。ブランドのイメージを高め、産業のグローバル化発展を促進するべきだ。
まず、中国自動車業界は国際市場へのリサーチが依然として不足している。企業の海外知的財産権事業の展開が遅れ、紛争に対応する能力と経験が欠けている。また多くの自動車メーカーは海外進出において連携が欠けており、市場と製品が同一化し、全体の利益を損ねている。そのため中国自動車メーカーは戦略と計画を強化し、海外進出企業の連携メカニズムを構築し、政策及び技術情報の交流を円滑にするべきだ。研究開発・調達・生産の深い協力を促し、産業チェーン川上・川下の協同発展構造を形成するべきだ。また国際標準化機構などの場を利用し、重要分野の国際標準・法規の調整を強化し、知的財産権の構成を系統的に分析し、保護壁を作り潜在的なリスクを引き下げるべきだ。
次に、中国自動車メーカーはコア技術の面で強みを持つが、伝統的な部品及び基礎システム技術でまだ開きがある。かつプラットフォーム化設計及び製造能力が不足し、産業チェーンの安全リスクの解消が待たれる。そこで企業は国内外の資源を統一的に管理し、新興分野に焦点を絞り、系統化された資源統合体制を構築するべきだ。また中国市場の強みを活かし、貿易・投資の質を高めるべきだ。他にもグローバル共同研究開発体制の構築を急ぎ、コア技術を把握し、産業チェーンの安全を保証するべきだ。かつ製品の機能や安全性などを高める研究を行うべきだ。
最後に、中国車の海外販売規模は相対的に分散しており、輸出モデルはミドル・ローエンドがメインだ。ブランドのイメージと価値が低く、アフターサービス体制が成熟していない。中国自動車メーカーは製品の競争力を最適化する他に、戦略を調整し、専門的な人材育成メカニズムを改善し、企業のソフトパワーを高めるべきだ。また積極的に国内外メディア及びインターネットのオピニオンリーダーと連絡し、良好な企業イメージを形成し、潜在的な顧客の中国車への親しみやすさを増すべきだ。(筆者=王兆・中国汽車技術研究中心有限公司中国汽車標準化研究院院長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年11月20日