動力電池は新エネ車の中核部品だ。2024年末現在の中国の新エネ車保有量は3140万台で、動力電池の車両設置数で長年に渡り世界をリードしている。工業・情報化部などの部・委員会(省庁)の規定によると、乗用車生産企業は2016年より電池、電気制御、電機(モーター)の「3電」などの中核・基幹部品に8年以上もしくは12万キロ以上の品質保証を提供する必要がある。昨年末でちょうどその8年が経過した。これはこれから毎年、一定量の動力電池が品質保証期間を過ぎることを意味する。
今年2月の国務院常務会議では、審議の上「新エネ車動力電池リサイクル体制健全化行動案」が可決された。トップレベルデザインの強化、標準の研究・制定の強化などの面から、新エネ車動力電池のリサイクルに明確な要求を示した。
国家発展改革委員会と財政部は今年1月に通知を出し、個人消費者が2018年12月31日までに登録された新エネ乗用車を廃棄処分にし、かつ「自動車取得税減免の新エネ車型式リスト」の新エネ乗用車を購入する場合、1台当たり2万元の補助金を支給すると規定した。
情報によると、使用済み動力電池にはリチウム、コバルト、ニッケルなどの各種金属及び化学物質が含まれる。操作が規範的でなく処理が不適切であれば、火災や爆発などの安全事故を起こしやすい。また重金属や有害物質は土壌、水源、大気などの環境汚染を引き起こす。
工業・情報化部はこの問題を解消するため、2018年より5回に渡り廃棄動力電池段階的利用及び再生利用ホワイトリスト企業(計156社)を発表している。使用済み動力電池の処理と利用については現在、主に段階的利用と再生利用の2種類がある。いわゆる段階的利用とは通常、電池の容量が50−80%の時に回収企業がこれを分解し組み立て直し、緊急時の電源やエネルギー貯蔵設備等として使い続けることを指す。電池の容量が40%以下になると、通常は再生利用という手段を採用する。
再生利用の場合、回収企業は使用済み電池の分解や破砕などの処理を講じ、リチウム、コバルト、ニッケルなどの原材料を抽出し、新しい電池に「再生」する。現在多くのホワイトリスト企業が回収ルートと物流網を構築し、路線バス、タクシー、オンライン配車、電動二輪車などの使用済み動力電池を回収し、その段階的利用と再生利用を実現している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年3月18日
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