一見、薄くて柔らかい紙のように見える電池隔膜だが、1平方メートルの価格は100元以上もする。このような高品質の電池隔膜はこれまで90%が輸入に頼っており、毎年約10億元の国内市場を日本やドイツなどに提供してきた。河南省科学院所属の河南科高輻射化工科技有限公司は15日、同公司が自主開発した国産高品質アルカリ電池隔膜および製造技術が大きな進展を果たし、産業化に成功したことを明らかにした。このことにより、国外メーカーが市場を独占していた状況を打破できる。「科学時報」が21日に伝えた。
中国は世界最大のアルカリ電池生産国で、アルカリ電池材料の多くはすでに国産化が実現していた。しかし、隔膜材料の品質だけは輸入品と大きな差があり、これまではレベルの低いアルカリ電池製品のニーズしか満たすことが出来なかった。同公司が開発した技術は、新しいやり方で電池隔膜生産の要となる技術を解決することができる。
現在、同公司はすでに4種類の隔膜製品を開発し、国内の数十企業で利用されている。メーカーによる比較実験データによると、製品の多くは輸入品と同じかそれ以上の性能を持ち、特に放電率などの指標では明らかなメリットが見られた。その上、価格は輸入品の3分の1から3分の2となっている。
同公司の崔国士・総経理によると、同プロジェクトは07年に国の検証に合格した。現在はすでに技術が成熟し、関連設備が整い、製品のシリーズ化・大規模生産が実現しているという。現在同公司は市場への普及に力を入れており、1年から2年の間に国内で知的所有権を持つアルカリ電池隔膜生産基地を形成し、輸入に頼る現在の状況を打破することを目指している。
「人民網日本語版」 2009年9月22日