円明園が廃墟と化した日から149年目の記念日にあたる19日、「円明園海外流出文化財捜索活動」が正式にスタートした。第一弾として、円明園管理処の職員や清華大学専門家が11月に米国を訪れ、米国に流出した円明園文化財の所在を可能な限り把握し、画像資料などによって、祖国から遠く離れた地にあるこれらの国宝の里帰りを実現させる。
円明園管理処の陳名傑主任によると、円明園の文化財は1860年の「円明園焼き打ち」によって焼き払われたもののほか、さまざまなルートで散逸が続いた。逸品のほとんどが海外に流出、英仏など欧州諸国に流出したものが最も多く、米国や日本に流出したものも少なくない。現時点での所在情報から見ると、国内外に散逸した各種円明園文化財は、少なくとも150万件以上はある模様だ。
海外に流出した円明園の文化財を探し出す試みは、今回が初めてという。今回の捜索は、米国、欧州、アジアの3地域別に行われる。その第一弾として11月、米国での捜索がスタートする。今回の主な活動内容は、海外に現存している円明園文化財、残されている文献資料および古い写真の所在を明らかにすることだ。画像資料や図面資料としてこれら文化財を故郷に持ち帰り、円明園の再建工事の史料とする。
米国での流失文化財捜索活動は、今年末までに終了する計画。欧州とアジア(主に日本)に流失した文化財の捜索は、来年開始する。円明園は今回の捜索にもとづき、文化財資料データベース構築を完成させ、来年下半期には文化財資料の大型展示会を開催する。また、円明園海外秘蔵文化財の大型画集も出版する。
陳主任によると、今回の捜索の主要目的は、流出文化財の現物を探し出すことではなく、資料の記録にあるという。円明園から持ち出されて各地に散逸した文化財の状況や古い写真・資料に記録された円明園の具体的状況について、可能な限り解明する。(編集KM)
「人民網日本語版」2009年10月19日