中国コンピューター学会とIBMがこのほど開いた「中国クラウドコンピューティングシンポジウム」で、コンピューターセキュリティに詳しい方濱興氏(中国工程院院士)は「クラウドコンピューティングは依然セキュリティ上のリスクを抱えている」と語った。クラウドコンピューティングは一種の計算スタイルで、計算の境界を技術の制約によってではなく、経済原理によって決めることができると説明。このため「雲(=インターネット)」上でユーザーはデータを集め、処理して配信することが求められる。このプロセスにおいてデータにセキュリティ問題が存在するというのだ。「科技日報」が3日伝えた。
方氏は、クラウドコンピューティングのより大きなセキュリティ問題はUSBメモリや個人メールなどインターネット以外のところにあると指摘する。しかしユーザーが自分のプライベートを公開するはずがないため、クライアントはひとつの接続点だけではなく、完全にリスクを防御するクラウドコンピューティングの枠組みが必要となる。そうなるとクラウドコンピューティングは独自の特徴を失ってしまう。
中国コンピューター学会の杜子徳秘書長は、クラウドコンピューティングが将来の重要な発展方向であるのは違いないとし、「この共通の目標に向け、政府と企業と大学は緊密に手を組まなければならない」と呼びかけた。
「人民網日本語版」2009年11月3日 |