まっさらのキャンパスに油絵を

タグ: 海南省,観光

発信時間: 2010-03-26 13:13:51 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国政府は海南省を国際的な大観光地に変身させるというウルトラ級のビジョンを打ち出した。私は子供が老夫婦のために海南省三亜市にセカンドハウスを購入してくれたこともあって、ほとんど毎年のように「リゾートライフ」を楽しむという一家のコンセンサスにいやいやながら同意してのこのこと出掛けていっているが、たしかに景観としては、「中国のハワイ」といわれるくらいのレベルのあるところだが、私は北京の国立図書館で、ジャック・デリダ、ミシェルフーコー、上野千鶴子さんらの著書を読みたいので、いろいろ屁理屈をこねて行かないようにしてきたが、やはり中国人特有の「家族主義」への歩み寄りで、ムリして、フラィト便の荷物の重量オーバーを避けるため、一冊の文庫本を持参してリゾートライフの合間に精読することにしていた。この前も書いたように、この年でアロハシャツ姿で、三亜のゴールデンビーチを散策するのは様にならないので、ビーチ‐パラソルの下で読書三昧にふけるのが主であった。ところで、今年は海南島大開発の号令が下ったので、どういうインパクトがあるのかもこの目で見て来ようという気持ちで出掛けていった。

これまでのところ、外国からの観光客もかなり来ているが、ロシアとウクライナなど寒い北国の人たちが多いようで、中国人も主に東北地区の氷点下二十度の厳寒を避けて来た人たちが多数を占めている。これは海南島が変わろうとする序奏ともいえるものである。序奏が終われば、第一楽章が始まる訳であり、今回中国の政策決定は第一楽章の始まりを告げるものといえよう。 

どんな大きなプロジェクトも、二十年、三十年経てば文筆で生計を立てている評論家諸氏に評価されることは避けて通れない。いや、そういう営為があるからこそ次にさらに良いプロジェクトが構想されることも可能となるのである。 

では、海南島は三十年後にどうなっているだろうか。もしも一人の人間がこの油絵を画き上げることになるなら、十数億の中国人をうーんとうならせるすばらしい絵を画き上げることも不可能ではない。しかし、これほどの面積のスペースの大開発となると、全国各地からデべロッパーが乗り込んでくるし、世界各国、各地域の業者もビッグチャンスをねらっている。 

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