中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の研究者が中国中部を東西に貫く秦嶺山脈以北と、長江以南、および秦嶺山脈と長江間の古代人の頭部と面部の特徴について詳しく研究したところ、秦嶺山脈と長江を境に中国の北方人と南方人の特徴に違いが見られることがわかった。
同研究所の呉秀傑副研究員らは、新石器時代の長江以南の古代人は鼻が広く額が狭いが、秦嶺山脈以北の古代人は額が広く、眼窩が高いという特徴があり、さらに秦嶺山脈と長江間の古代人の面部の特徴は複雑で、北方人に似ているところもあれば、南方人に近いところもあるということを、詳しい研究で発見した。
現代では、秦嶺山脈以北の住民は長江以南の住民よりも面部が広く、鼻が高い。新石器時代と現代の考古遺跡34カ所から出土した309の人類の骨の個別の分布を通じて、動物群、植物生態学、血液学、遺伝学、語系を一通り研究した結果、秦嶺山脈と長江を境にして古代人の面部の特徴に違いがみられることがわかった。この面部の違いは、長い時間をかけて環境に適応してきた結果だという。この違いはさらに60万年前の周口店の北京原人と南京猿人にまで遡ることができる。
「人民網日本語版」2010年7月30日