西南交通大学・けん引動力国家重点実験室の課題グループが1日に明らかにしたところによると、同グループは現在、時速600-1000キロの真空チューブ列車の研究を行っているという。同列車は、理論上は最高時速2万キロに達することも可能で、実際に運行が実現するのは10年後になると見られている。「京華時報」が2日に伝えた。
同実験室のメンバーである両院(中国科学院及び中国工程院)の沈志雲院士によると、真空チューブ列車とは、外部と隔離されたチューブを建造し、チューブ内を真空化させた後、その中でリニアモーターカーを運行するというもの。空気の摩擦という障害がないため、驚くべきスピードで運行することが可能だ。
課題グループのメンバーである趙耀平氏によると、真空リニアは真空中で運行するが、車両内は真空ではないため、乗客がめまいなどを感じることはないという。
建設コスト面を比較すると、現在、一般的な地下鉄の建設コストは1キロあたり1億5千万元で、トンネルの断面は約6-8メートルとなっている。一方、真空リニアのチューブの断面は4-5メートルと小さく、鋼材の費用が大幅に節約できるため、従来の地下鉄よりも低いコストで建設できるという。
趙氏は、「世界では現在、米国、スイス、中国の3カ国が真空リニア技術を研究しており、中国はすでにテスト段階に入っている」と述べる。
時速600キロの真空リニア技術が10年後に利用できるか否かについて、趙氏は「技術的には可能だが、最終的な導入決定は鉄道部が行う。鉄道部の指導者はすでにこの研究に注目しており、賞賛を得ている」と述べる。(編集SN)
「人民網日本語版」2010年8月2日