1日の月探査衛星「嫦娥2号」打ち上げ成功を受け、いつ中国人が月に上陸できるかに関心が集まっている。新華社が伝えた。
月探査計画の呉偉仁総設計師によれば、リスクの高い月面上陸は順序を追って進めなければならない。今のところ中国は月探査計画として、「周回」「着陸」「回収」の3ステップの計画を立てている。中国人の月面上陸は、探査機の月周回と月面着陸に成功し、無事サンプル回収後、ようやく基本条件が整う。それは2020年以降になるだろう。
月探査計画顧問の欧陽自遠氏は「21世紀に打ち上げられた探査機は、欧州の『smart』、日本の『セレーネ』、インドの『チャンドラヤーン1号』、中国の『嫦娥1号』と『嫦娥2号』、それに米国の『ルナー・リコナサンス・オービタ(LRO)』のいずれも月を周回する無人月探査機だ」と紹介。米国以外はどの国も2020年以降に月面着陸を計画している。ブッシュ政権の計画では、米国は2018年の月面上陸を目指している。
40年前にアポロ計画で月面着陸に成功した米国がなぜ2018年まで次の有人月面着陸を待たないといけないのか?という疑問に対し、欧陽氏は「アポロの打ち上げ計画に使われたサターン5型ロケットは大き過ぎる。安全性が極めて低いし、現在の技術レベルからみるとかなりたち遅れているため、米国は新しいロケットを開発する必要がある」のだと説明する。
アポロは当時、最先端の宇宙船だったが、そのコンピュータ処理能力は今となっては携帯電話にも劣るものだ。このため使い物にならず、改めて宇宙船を開発する必要がある。現在、米国は新しいロケットと宇宙船の開発に取り組んでいるが、それにはある程度の時間がかかるという。
「人民網日本語版」2010年10月2日