北京市科学技術委員会が7年連続でサポートしている研究プロジェクト、「通信ベース列車制御(CBTC)」システムが今年、北京市の軌道交通亦庄線、昌平線で採用され、産業化に向けた確実な一歩を踏み出した。同システムは今年7月、亦庄線で試験的に導入されて以来、現在に至るまで高い安全性、信頼性を保っている。
北京交控科技有限公司のコウ春海・総裁によると、北京で近年新設された軌道交通には基本的にCBTC技術が採用されているが、その設備はすべて輸入に頼ってきたという。たとえば、2号線と北京首都空港線はフランス・アルストム、4号線はフランス・アルカテルルーセント、10号線はドイツ・シーメンスの設備が用いられている。
コウ総裁は、「すべての設備を輸入に頼ると、要となる技術は外国企業が掌握している上に、数々の制限を受けることになる。しかも、国外企業の技術や設備が完全に成熟していて信頼できるわけでもなく、運営コスト・メンテナンスコストは国産よりも高い」と述べる。国外から導入したCBTCシステムのコストは1キロあたり1000万-1300万元だが、国産だとコストは20%-30%抑えることができるという。
年内に開通・運行が開始する亦庄線は、完全な知的所有権を有するCBTCシステムを採用した中国初の路線となり、都市軌道交通信号システムの国産化に向けた一里塚となる。(編集SN)
「人民網日本語版」2010年11月22日