中国月探査プロジェクトの首席科学者である欧陽自遠氏(中国科学院院士)は2日、中国科学院研究生院が主催した「中国科学と人文フォーラム」において、「科学プロジェクトは、科学技術の進歩推進だけではなく、経済の発展や国民の素質向上に向けても役割を果たすべきだ。中国の月探査プロジェクトにより、科学技術の進歩と経済の発展を推進することが可能だ」と述べた。「科技日報」が3日に伝えた。
欧陽氏が同フォーラムにおいて、以下のように述べた。
米国はかつて、アポロ計画に256億ドルを投じた。結果、3千種類以上の新技術が生まれ、それらの技術はほとんど全ての技術分野をカバーした。このほか、多くの特許が生まれた。アポロ計画は科学技術発展をけん引する強大なパワーとなり、科学の進歩を大きく推進するとともに、多くの新学科を生み出した。統計によると、アポロ計画への投資と収益の割合は1:14だった。
中国の月探査プロジェクトはスタートからわずか数年であり、現在具体的な収益を統計するのは難しい。しかし、同プロジェクトが中国の科学技術と経済の発展を推し進めることは確かだと言える。月探査プロジェクトのプロセスにおいて、このような例は非常に多い。私は月探査プロジェクトが中国のハイテクノロジー発展、科学と経済の発展に向けた大きな推進作用を持つことを信じている。(編集SN)
「人民網日本語版」2010年12月3日