地下深部にある中国初の実験室「中国錦屏地下実験室」の使用開始を記念する式典が12日、四川省雅序ニ江錦屏水力発電所で行われた。同実験室の完成は、中国が物理学の重大な基礎・最新研究を行うための地下実験プラットフォームを有したことを示している。「科技日報」が12日に伝えた。
「中国錦屏地下実験室」は清華大学と二灘水電開発公司の協力により、二灘公司の水力発電所のために建設した錦屏山トンネルを利用して作られたもので、垂直2400メートルの岩石に覆われており、地下実験室の深さとしては世界一だという。
専門家によると、地下深部にある実験室は、粒子物理学、核物理学、天体物理学、宇宙学などの分野における暗黒物質の検出・研究、ニュートリノ物理学の実験など、重大な基礎・先端研究を行う場所であるとともに、岩石力学、地球構造の変化、生態学などの学科で実験を行うための重要な環境でもあり、 また、低放射性材料、環境核輻射汚染検査などを行うための良好な環境でもある。
清華大学が筆頭となり、四川大学、中国原子能科学研究院、南開大学、二灘水電開発公司が参加する中国暗黒物質実験協力グループはすでに検出器を同地下室に設置し、実験をスタートしている。グループは世界最高純度のゲルマニウム結晶で作った高純度ゲルマニウムム検出器を使って暗黒物質の実験研究を行っており、来年には初の研究成果が出る見込みだという。 (編集SN)
「人民網日本語版」2010年12月13日