中国の通信キャリア大手「中国移動」はこのほど、中国が進めている準第4世代移動通信システム(準4G)規格「TD-LTE」の大規模な技術テストを6都市で開始した。これと同時に、国内外の各通信機器大手が4G端末を次々と打ち出しており、4G普及が一気に現実味を帯びてきた。4Gと準4Gの各種規格が今年から大規模な試験段階に入る、と業界関係者はみている。遅れを取った3Gとは異なり、4Gでは早くからの地ならしが功を奏し、中国の通信事業者やメーカーは一定の地位をすでに確立している。14日付け中国紙「消息時報」が伝えた。
4G規格は世界でまだ定まっていないものの、WiMaxとLTEの2方式がほぼ確実視されている。海外の市場分析機関がまとめた報告書によれば、LTEの立ち上がりはWinMAXよりも遅かったが、その後はWinMAXを明らかに上回る勢いで追い上げており、現在は世界の通信事業者から注目を浴びている。
中国の国産技術であるTD-LTEは、競争力ある技術戦略の一つ。昨年の中米商業貿易連合委員会第21回会議で、中国側は、通信事業者が市場原理と自身の必要に基づき4G規格を自主的に選択することを認めた。つまり、中国国内の通信会社はWinMAXとLTEの2つの方式から4G規格を選択することが可能だ。
4G技術でのリードを確保するため、中国工業情報化部は昨年12月末、TD-LTEの大規模な試験的取り組みに関する包括計画を承認、上海、杭州、南京、広州、深セン、アモイの6都市における大規模な技術テストに向けて動き出した。計画では、同テストは商用化を見据えたもので、さらなる規模拡大により、エンド・ツー・エンド(EndtoEnd)製品を商用規模にまで引き上げる一方、世界的な範囲でTD-LTE普及を牽引(けんいん)するという。
技術テストが実施される6都市に設置される基地局は計3060局で、1都市当たり500局前後。うち万博を開催した上海とアジア競技大会を終えたばかりの広州にはTD-LTE試験ネットワークがすでに構築されている。(編集YT)
「人民網日本語版」2011年1月17日