中国北部の元宵と南部の湯円は毎年旧暦の1月15日の元宵節には欠かすことができない。元宵節を目前にひかえて食品専門家に取材したところ、元宵と湯円はいずれももち米粉を皮として作られた円形の食品だが、製作技法に大きな違いがあり、食感や保存期間などもそれぞれ違うと語っている。
中国の老舗の食品ブランド「双合成」の太原柳北店で元宵を作る職人の楊さんによると、元宵と湯円はいずれももち米粉を皮にして作られた円形の食品で、北部では元宵、南部では湯円と呼ぶ。しかし元宵を作る時には餡を四角いかたまりにして、もち米粉を入れた籠に入れて振り、途中で水を加えてもち米粉を餡の上にくっつけ、球形に「ころがして」作るのに対し、湯円は餃子作りのように、もち米粉に水を入れて練り、餡を包んで作るという。
楊さんによると、湯円は柔らかく甘い食感なのに対して、元宵はより粘り気があり、こしが強い。また湯円は様々な味のものが作られており、ここ数年はメーカーが従来の種類に加えてチョコレートやゼリーといった味のものも販売している。元宵は基本的に伝統的な桂花や黒ゴマ、バラなどを餡としている。
太原で長い歴史を持つ元宵の老舗「老鼠窯」の譚凱経理によると、湯円は元宵に比べて賞味期限が長く、袋詰や箱詰めの冷凍湯円は一般に冷凍で6から12カ月保存可能だが、元宵はなるべく早く食べるほうがよく、零下3から5℃の冷蔵環境の下でも3から5日しか保存できないという。
「人民網日本語版」2011年2月17日