中国国民科学素養調査の結果がこのほど発表された。それによると昨年、科学的素養を備えている中国人は3.27%となり、増加はしたものの、依然として日本やカナダなど先進国の1980年代末の水準でしかなかく、この結果は人々や関係各方面からの注目を集めた。
中国科学技術協会は1992年以来、大陸部に住む18潤オ69歳の国民に対してこれまで8回にわたって調査を行ってきた。調査に当たっては世界共通の質問事項を参考にする一方で具体的な国情に照らしつつ問題が選ばれている。
「必要な科学知識を理解しているか」の項目を見ると、2005年は7.4%、2007年は6.9%、2010年は9.8%と、中国人の科学的素養の向上は遅い。中国科学普及研究所の何薇研修室主任は、「これは主に、我々が長期的に科学的方法と科学研究過程の教育を十分に重視してこなかったためだ」と分析する。
「科学的精神を尊重しているか」の項目に関して何薇主任は、「毎回の調査において、迷信を信じない中国人の割合は高く、異なるグループ間における差も小さい」と述べる。中国人の84.5%が「現代科学技術の発展は、我々の子孫にさらなる発展のチャンスを提供するだろう」との見方に賛成している。一方EUではこの見方に賛成を示した人は75%だった。
国民の科学的素養の向上は十分ではなかったものの、科学技術情報に対する国民の興味は大きく増加した。今回の調査結果によると昨年、科学技術関連のニュースに対する中国人の興味は大きく高まった。うち、科学的新発見は71.6%、医学の進展は71.1%、新発明と新技術は68.2%となり、それぞれ2005年の調査結果よりも10-20ポイントほど増加した。(編集SN)
「人民網日本語版」2011年2月23日