天宮1号は宇宙で2年間航行するが、その間に「神舟9号」「神舟10号」が宇宙飛行士を乗せてこの「天空の城」に訪れるだろう。天宮1号は宇宙飛行士にとってどのような家となるのか。宇宙飛行士の宇宙での仕事、生活、化学実験はどのように行われるのか?
1. 宇宙ジム
一般的に宇宙飛行士は天宮1号に10日から20日間滞在する。以前の神舟と比べ任務は長期になる。長時間、重力のない環境で飛行していると、筋肉が萎縮したり、骨がもろくなるなどの症状が現れる。そこで天宮1号には宇宙飛行士専用のフィットネス器具が用意されている。これは中国有人飛行船で初めて搭載されたフィットネス器具だ。下半身の筋肉を鍛える特殊な自転車や肩や背中の筋肉を鍛える機器などが含まれる。
2. 空間医学ラボ
重量測定器では、無重力状況で体重が量れる。宇宙飛行士は宇宙滞在中の体重の変化を測定する。また、無重力状態での細胞変化のメカニズムや心理の変化メカニズム、宇宙船内の気体サンプル分析などを行う。
3. 人工環境
宇宙飛行士に快適な環境を提供するため、天宮1号と神舟宇宙船は快適な温度、湿度、圧力、酸素等の規定の環境を維持するほかに、専用に微生物や微量の有害ガスに対応する「武器」が備えている。新陳代謝する皮膚が空気中に浮遊していると、微生物コントロール装置が短時間で効率的にろ過し、浄化する。浄化装置によって宇宙船内の設備や非金属材料から放出される微量の有害ガスも浄化できる。このほか、宇宙飛行士の呼吸、汗などによる水蒸気も冷却水回収装置で定期的に自動で収集される。
4. 廃棄物リサイクル設備
これまで宇宙飛行士は宇宙で衣食住に必要な物資は、すべて地球から持参した。しかし、天宮1号は初めてリサイクル設備を搭載した。電解酸素発生装置で水から酸素を精製し、水分分離装置で宇宙飛行士の尿から水分を分離する未来の宇宙ステーションでは尿は水に変わり、酸素再生などの技術と連携する。これらの技術が完成すれば、大きく地上からの物資補給は軽減される。尿や体液、有害ガスなどの資源をリサイクルできる。
5. 宇宙飛行士の睡眠姿勢は?
天宮1号の前方は宇宙飛行士のためのとても快適な2カ所の睡眠スペースとなっている。中には寝袋は二つある。神舟7号の寝袋と比べ、重量は明らかに軽くなり、材料は難燃性、静電気防止の機能を持ち、軽くて調節が簡単などの特徴がある。宇宙飛行士は宇宙で無重力状態にあるので、寝袋は壁にぶら下がる。宇宙飛行士は宇宙でぶら下がって眠ることになる。
6. 宇宙食はもう宇宙に
現在、天宮1号には宇宙飛行士はいないが、一部の宇宙食はすでに天宮1号と一歩先に宇宙に到着している。野菜、肉、くだもの、インスタントスープなどや抽出されたたんぱく質、脂肪、でんぷんなどの成分だ。だが、これは実験に使われて、食べられない。本当に食べる宇宙食は宇宙飛行士と一緒に宇宙へ出発する。実験用の宇宙食は今後、有人宇宙船と共に地球に戻る。研究者によってこれらの宇宙長期滞在後の変化が研究されることになる。
7.消火装置
天宮1号と神舟宇宙船には消火装置が完備されている。火が小さければ消火用雑巾や手袋状の消火グッズで火種をつかんで消火する。消火器は火が大きい場合に使用する。消火剤には毒性があり、一度消火器を使用すると宇宙船内の空気が汚染されてしまい、宇宙飛行士は生活できなくなる。宇宙船内の空気を取り替えるか、地球に帰るかしなければならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年11月4日