中国国家国防科学技術工業局は今日、月面軟着陸の任務を担う「嫦娥3号」を来月上旬にも打ち上げると発表した。現在、ロケットと探査機はすでに四川省の南西部の西昌(シーチャン)衛星発射センターに運搬されているという。我が国初の月面ローバーは「玉兎」(ぎょくと)と命名された。
嫦娥3号のプロジェクトが立案されると、日本とインドも月面着陸・月探査計画をスタートさせた。しかし日本は予算不足により発射を2018年に延期しており、インドはロシアからのランダーの提供が遅れたことから自主開発を余儀なくされ、2017年以降にずれ込むこととなった。
中国の月探査プロジェクト第2期の全体目標は、月面のソフトランディングの実現、月面ローバーによる自動巡視・探査だ。嫦娥3号の設計は、通信衛星「DFH-3」をベースとする月周回衛星「嫦娥1号」、「嫦娥2号」より複雑で、中国でこれまで設計・製造された最も複雑な、技術的な難易度が最も高い宇宙船の一つと言える。月面着陸技術の突破は、嫦娥3号の重要な任務の一つだ。月上陸を実現するため、嫦娥3号は米ソの過去数十年間の月面着陸・月探査の経験と教訓をくみ取り、中国の技術と能力によりきめ細やかな設計を行った。