中国要素を使うなら創意工夫が必須
ビクトリアシークレットのショーにせよ、ハリウッド映画にせよ、彼らがここまで中国要素に興味があるのは、やはり巨大な中国市場があるからだろう。積極的にせよ消極的にせよ、中国の消費者に注目されたいなら考えるべき問題がある。中国要素を取り込みたい人にとって、それが具体的にどんなものなのか明らかではないかもしれない。
しかし、単に中国要素の表面だけを取り入れても、その真価は発揮されない。中国文化のエネルギーに対する思考とセンスの欠けた、通り一遍の中国要素は人々に認められることはない。たとえば、映画作品に多くのブランドが見られたことは、実際に観客の反感を買っている。また、多くのスターが作品でセリフを一言しか言わなかったことも、「これじゃ演技じゃなくて広告と同じだ」と皮肉られている。中国の観衆が見たい中国要素は、オリジナルなものだ。つまり制作者が多くの手間をかけたものである。たとえば「カンフーパンダ」の制作側は、書籍を読み込んだり、中国のカンフー映画を見たりして情報や資料を収集した。「カンフーパンダ2」では、制作スタッフが何度も中国でロケハンし、収集した資料を映画に取り入れている。「カンフーパンダ3」になると、200名のアーティストやアニメーター、中国人顧問が深く参加して制作された。映画の1カット1カットが細緻だが、これはみな中国人芸術家による創作から成っている。技を会得するのは簡単だが、魂を入れ込むのは簡単ではないのだ。映画の巨匠である李安氏は、中国要素の取り込みが非常に的確だ。彼の作品での中国要素はシンプルだが深みがある。中国の観衆を喜ばせると同時に、国際市場でも称賛されている。つまり、中国市場で中国要素を展開するなら、うまく運用しなければならない。そのためには多くの創意工夫が求められるのである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年1月8日