「漢服を着た娘たちを街でよく見かけるよ。いまは花が咲く季節だから、公園で自撮りする人が多い」。今年の春、多くの市民が漢服ブームの到来を感じている。仙女のような漢服を着た人たちがいることで、公園はまるで故宮や北海、玉淵潭といった名勝地さながらの風景になっている。伝統文化を重んじる人が増え、若者の服装の多様化に対する反発も減少するに従い、漢服を着て街を歩く人に違和感を覚えることもなくなった。オンライン店舗や体験店を通じた「漢服エコノミー」も盛況だ。
若者が新鮮に映る「仙女ファッション」
深く考えられた髪型と化粧。軽い素材の長いスリットがなびく。その軽やかな歩みを見ていると、古い時代にタイムスリップしたように感じられる。清明節の連休中、中山公園では、漢服を着た若い女性たちが写真撮影する姿がよく見られた。
観察すると、学生やOLが多い。漢服を着てみようと思う理由は、その軽やかさにあるようだ。彼女たちは漢服をネットショップで買ったり、レンタルしたりして身に付ける。
「漢服に詳しくないけど、とてもかわいいと思って。この服ぜんぶネットで買ったの。安かったから、これを着て写真を撮りたいと思った」。ポーズをとりつつ女性が話してくれた。
コアな漢服ファンになると、わざわざカメラマンを雇って漢服写真を撮る。何さん(女性)は、「髪型が崩れるのが嫌なので、漢服を貸してくれるフォトスタジオに行って撮影します。花の季節だから、今が撮影しどきなの」と語る。
「子衿」という、中国伝媒大学で漢服サークルの部長を務める米菲さん(仮名)によると、このサークルは同大学でも大きなサークルの1つになっており、150人以上が在籍する。普段は中国音楽や中国舞踊の練習のほか、古代の化粧の勉強や首飾りの制作などを活動内容としている。伝統的な祭日になるとイベントを開催している。
米菲さんは、「数日前、私たちは玉淵潭で“花朝節ピクニック”を行いました。今年の秋には“下元節蓮花灯篭流し”をする予定です」と言う。伝統的な祭日に行う漢服サークルの活動では、部員たちのモチベーションは総じて高い。「参加人数は数十人規模です。このイベントは漢服をPRすると同時に、伝統文化の伝承にもなると考えています」。
漢服のネットショップも体験店も流行中