中国の劇映画、2019年に新たな繁栄復興期に

中国の劇映画、2019年に新たな繁栄復興期に。

タグ:劇映画 復興

発信時間:2019-12-29 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

   2019年を振り返ると、中国の劇映画は新たな繁栄復興期に入った。

 

 金鶏賞の「最優秀作品賞」を獲得した滬劇映画『挑山女人』をはじめとし、各地の劇映画は国内の賞を多く獲得した。京劇映画『曹操と楊修』、越劇映画『西廂記』、粤劇映画『白蛇伝・情』などはスペインのサンセバスチャン、日本の東京、イタリアのヴェネツィアなど国際A類映画祭に登場し、滬劇映画『雷雨』は約100万元の興行成績を上げた。

 

 このように咲き乱れる賑やかな雰囲気の裏で、「映画を舞台の復刻版にとどめず、劇映画を時代の美的感覚に合わせ、親近感を持たせるにはどうするか」、「優れた劇の新作と名作を市場の奥深くに浸透させ、大勢に劇の百花園に入る機会を与えるにはどうするか」に対する期待が膨らんでいる。業界内では、これらの課題を解決できれば、劇映画を新たな発展段階に押し上げ、映画芸術の1つのカテゴリとしてさらに拡張させることができるとみられている。

 

「より映画的」、「より現代的」 技術と芸術が互いを引き立てる

 

 中国特有の映画カテゴリとして、演劇が伴う中国映画は「無」から「有」になり、一時は中国映画市場で興行収入を引き付けるカテゴリだった。しかし、劇芸術の伝承・発展が危機に直面し、上海劇映画は真っ先に最新技術を導入し、4K高画質、立体音響、3Dなどを劇映画に応用した。これは映画撮影と鑑賞の発展の動きと合致し、『覇王別姬』、『景陽鐘』、『西廂記』などの作品が生まれ、現代の観客が劇映画というカテゴリに興味を持つようになった。

 

 このような動きに影響され、これまで舞台記録という性質を持っていた劇映画の制作が全面的に発展した。今回の金鶏賞にエントリーされた京劇映画『穆桂英掛帥』のコメントを見ると、「李勝素、于魁智、楊赤ら各流派の名役が揃っているため芸術的に楽しめるうえに、その画質と音質の面において、映画産業レベルの努力が感じられる」という書き込みがある。

 

 現代映画の観念は劇芸術の表現面におけるイノベーション行動と言える。金鶏賞を受賞した『挑山女人』を例にすると、同作が専門家に認められたのは、最も平たく言うと、「映画作品としての自覚がある劇映画」だからである。映画の結末に、舞台版の5分間に及ぶ賦子板の『風雨過後艶陽天』をそのまま残した。映画の多くの段落が観客の習慣にもたらす試練をどのように解決したか。汪灝監督は以下の工夫をこらした。主演の華雯が歌いながら家の中から舞台に歩いていくとき、背景を舞台を設置するスタッフに切り替える。80句以上の歌の台詞の後、背景に斉雲山を出し、カメラを劇場の1000人の観客席の方向に180度回転させ、主人公の汪美紅が最初に立って拍手し、押し寄せるような拍手で感情を高める。

 

 この革新は中国文芸評論家協会の仲呈祥主席から、「『挑山女人』は劇の心の美学と映画の写実的な美学を合わせた成功作だ」と評価された。


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