中国の食事バランスはピラミッド型で、穀物・野菜・果物が下の2層を占め、人々の健康を支えている。ところが科技日報が23日、国務院新聞弁公室の「中国住民栄養・慢性疾患状況報告書(2020年)」関連の記者会見で得た情報によると、本来ならば三層目にある豚・牛・羊肉などの摂取量が近年増加を続けており、中国住民が食事で摂取するエネルギーに占める脂肪の割合が34.6%に達し、日常的なエネルギー消費全体の3分の1を上回っている。
中国の飲食構造、ピラミッド型ではなく円柱に
国家衛生健康委員会は中国疾病予防管理センター、国家がんセンター、国家心血管疾患センターなどの機関と、2015−19年の中国住民慢性疾患・栄養観測を展開し、全国31省(自治区・直轄市)の6億人弱をカバーした。その「中国住民栄養・慢性疾患状況報告書(2020年)」によると、過体重率と肥満率の上昇が続いており、成人の過体重率は34.3%、肥満率は16.4%にのぼっている。
国家衛生健康委員会の李斌副主任は「外食の割合が上がり続けており、食堂、レストラン、加工食品に含まれる油と塩に注目すべきだ。住民の不健康なライフスタイルは依然として普遍的に存在する。食事のエネルギー供給に占める脂肪の割合が上がり続けており、農村部で初めて30%という推奨値の上限を上回った。家庭の1人平均の調理における塩・油使用量が推奨値を大幅に上回っている。これらはいずれも報告書が示した健康の課題だ」と指摘した。
中国疾病予防管理センター栄養学首席専門家の趙文華氏は報告書について、「中国の成人の過体重・肥満率が50%を上回っている。6−17歳の児童・青少年は20%弱、6歳以下は10%にのぼっている。現在の過体重・肥満状況については、上昇のペースが早く、流行水準が高く、全員が影響を受けていると表現できる」と解説した。
先ほど学術誌『セル』に掲載された動物の研究によると、高脂肪の食事による肥満はがん細胞の成長を促し、腫瘍内部の免疫細胞を飢えさせるという。
今回の報告書のデータによると、住民の過体重・肥満問題が顕在化を続けており、がん発症率が10万人あたり293.9人にのぼり、依然として上昇傾向を示している。また高血圧の罹患率は27.5%、糖尿病は11.9%、高コレステロール血症は8.2%、0歳以上の慢性閉塞性肺疾患は13.6%。これらの結果は2015年に発表された結果と比べいずれも上昇している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年12月24日