天津大学が16日に発表した情報によると、同校の合成生物学チームはDNAストレージアルゴリズムの革新により、厳選した10枚の敦煌壁画をDNAに保存した。老化加速の実験・検証により、壁画情報が実験室の常温で1000年、9.4度以下で2万年保存できることを証明した。同アルゴリズムはDNA分子を世界で最も信頼できるデータ記憶媒体の一つにし、老朽化による破損の危機に直面している人類文化遺産の情報を半永久的に保存できる。この成果はこのほど国際的な学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。
中国科学院院士、天津大学教授の元英進氏のチームは次世代ストレージ技術であるDNAストレージの研究開発に取り組んでいる。元氏は、「国際データ業者の計算によると、世界のデータ総量は2025年に驚異的な175ZB(1ZBは約10の21乗バイト)にのぼる。全世界がデータセンターを建設しているが、そのエネルギー消費量は驚異的だ。DNAストレージは高いストレージ密度と低いエネルギー処理といった特徴を持ち、最も潜在力あるストレージ技術と目されている。データストレージの拡大に対応する新たなチャンスを迎えている」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年9月19日