「上海エコハウス」
ベストシティー実践区は上海万博のもう1つの目玉。世界数カ国の事例が入選した。ほとんどは省エネ、エコ、低炭素化をテーマとしており、その典型例がロンドンのゼロ炭素館である。入選した中国の事例は4点あり、上海を代表して参加する「上海エコハウス」もその中の1つだ。
上海エコハウスの原型は閔行区の上海市建築科学院内にある4階建てのエコモデルオフィスビルだ。ビル全体は空気層が作られる断熱性能をもつ複層ガラスを採用し、曇りの日でも部屋の中は明るく、風が強くない場合でも、通気性がいい。床下に太陽エネルギーによる温水循環設備が取り付けられ、冬になると暖房として使われる。屋上には太陽エネルギー発電設備や小型風力発電設備も取り付けられている。
エコハウスのデザイナー、上海市建築科学研究院総技師の汪維さんは、「同ビルは自然通風、インテリジェント・コントロール、グリーン建材、雨水集積といった技術を採用した国内最初のエコモデル建築物で、「上海エコハウス」はこれを母体として3年にわたった検討・開発を経て建てられたものだ」と記者に説明した。
「中国の年間エネルギー消耗量のうち、建築業のエネルギー消費は40%を占めている。エネルギーを節約するには、持続可能な建築物をつくる必要がある。低炭素万博はCO2排出を削減する一方、エネルギー節約も目的だ」と汪維さん。上海エコハウスが採用した新技術は30項あり、今後2~30年間のエコハウスの発展傾向を表している。
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