上海万博組織委員会の周漢民副主任は11日午後に開かれた「テレビフォーラム:博鰲(ボアオ)で見る万博」で、「中国の都市化を地方都市で進めていかなければならない」と指摘した。農家の人たちが故郷を離れて都市に移り住むのではなく、農村の生活を地方都市に徐々に近づけ、農村にも都市と同じような教育や医療を整え、仕事を得られるようにしなければならない。上海万博を通じて中国の都市化問題をしっかり模索し、参考となるモデルを世界に提示していきたいとの考えを周氏は語った。
実際、中国の都市化は急速に進んでいる。世界では都市化に200年かかった。1800年にわずか2%だった世界の都市化率は1900年に13%に達し、2007年に世界は都市時代に入った。中国では都市化のペースがもっと速い。1978年に18%だった都市化率は2010年には50%に迫っている。農村が完全になくなることはないため、中国では都市と農村の交流を強調している。例えば今回の万博では、住みやすい都市をいかにつくるか、文化をいかに保護するかを、先進国や発展途上国など五大陸の50近くの都市や農村の実践例を取り上げて紹介している。これは世界的にも歴史的な試みといえる。なかでも非常に興味深い農村の実践例として、国連の2つの賞を受賞した寧波が取り上げられている。寧波は「エコビレッジ500」として評価され、都市と農村の交流がうまくいっている実践例の一つにも選ばれた。寧波の例は中国の都市化を地方都市で進めていかなければならないことを伝えている。農民が故郷を離れて都市に移り住むのではなく、農村の生活を地方都市に近づけ、農村にも都市と同じような教育や医療を整備し、仕事を得られるようにしなければならない。
今回のフォーラムで司会を務めたボアオ・アジアフォーラムの竜永図秘書長は、「万博を参観すれば精神的な薫陶となる。万博は『都市をより良く』をテーマにしているが、中国は農村大国だ。中国と全世界の農家の人々を巻き込んでこそ上海万博は成功したといえる」と語った。
「人民網日本語版」2010年4月13日