寧夏回族自治区の発展ぶりに深く感銘

寧夏回族自治区の発展ぶりに深く感銘。

タグ: 寧夏 林国本

発信時間: 2010-12-06 11:20:25 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

林国本

 

最近、テレビで寧夏回族自治区の首府銀川市で開催されたポップミュージックの公演の中継放映を観て、寧夏回族自治区の発展ぶりに深い感銘を覚えた。もちろん、沿海部の省と比較すればまだまだ格差があることは否めないが、かつての寧夏をいくらか知っているものにとっては、内陸部にあるこの地域の発展は大方の予想を上回るものがある。

実は数年前、友人のアレンジで日本の一橋大学と寧夏の関連部門とのセミナーに参加する機会に恵まれ、その際、私は「西部は遅れている」、「改革、開放と発展は難しい」という私の先入観を覆すものを感じた。

まず、ふだんよくいわれている西部の人たちは改革、開放の意識の面で遅れている、という先入観が吹き飛ばされたことである。地元の政府関係者やシンクタンク関係者との触れ合いの中で、この人たちが私たちいわゆるジャーナリズムの世界に身を置いているものとほとんど同じくらいのレベルの知識を持っていることであった。つまり、自分たちの置かれた地域をいちはやくテークオフさせるにはどうすればよいかについて、ハッキリした考え方を持っていた。

そして、このセミナーにあわせて、寧夏各地をまわって視察した一橋大学の地域産業分野の専門家も、このセミナーで発言し、寧夏のプラス面について詳しく自説を述べた。ちなみに、この専門家は帰国後、寧夏についての著作を発表している。私はまだ現役の頃にもこの専門家の温州経済についての著述にも目を通していたので、他者の眼で自分たちの地域を見たものにも、大きな参考価値がある、と思っていた。

とにかく、寧夏はかつては食糧の自給すらできなかった地域であったのに、最近は自給自足を達成したばかりか、いくらか余分もある、ということだった。つまり、地元に適した開発戦略をとれば、寧夏も前途有望だと言えるのである。

今回、ポップミュージックの公演の合間に紹介された地元の気候条件を生かしたブランド品のブドウ酒づくり、地元のオアシスを利用した稲作農業の発展などはすばらしい。とくに取り上げたいのは公演の合間に組み込まれた地元の回族の女性たちのファッションショーはすばらしかった。この出し物を観てとっさにひらめいたのは、これらのムスリムの少女、若い娘さん、中年の女性、高齢の女性のファッションは、中近東地域に輸出したら、大いに受けると思った。

私見であるが、西部の人たちはマイナス面だけを見ていてはダメだと思う。西部地域にもそれなりの強みがあることだ。たとえば、中国にはユーラシアランドブリッジという江蘇省の連雲港からオランダのアムステルダムに通じる鉄道がある。寧夏はこの鉄道を利用して、それこそ現代のシルクロードの利を手にすることができるのではないだろうか。コンテナー輸送というもので、往時のラクダのキャラバン以上のメリットを享受することができるのだ。

寧夏は、西夏王国の王陵という世界でも珍しい遺跡があり、また、世界の学界で注目されている西夏文字の発祥の地でもある。これを観光資源、学術研究の資源として使う手もあるのではないか。また、アジアで有数のモスクもある。ここで西夏文字研究シンポジウムを開催し、観光とショッピングとも結びつけることもできるではないか。また、乾燥地帯が多いと言うのなら、乾地農業の研究基地になることも不可能ではない。

最近は海のシルクロードでは海賊さわぎで海運のコストが高くなっている。低炭素社会の構築では鉄道輸送も再認識されつつある。中国の西部地域が発展すれば中国全体の発展をさらに加速させるに違いない。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年12月6日

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