中国科学院や中国工程院の院士、宇宙開発の専門家には、(1)次世代キャリアロケットの開発(2)宇宙インフラの整備(3)宇宙技術システムの開発――の3点で、中国は宇宙開発大国に後れを取っているとの声が多い。
次世代キャリアロケットの開発について、宇宙開発の専門家の屠守鍔氏は「宇宙開発大国の米国とロシアは何年も前にキャリアロケットの世代交代を完了した。わが国のキャリアロケット開発は、宇宙開発大国や欧州との間にあった元からの距離がさらに広がっており、過去には日本・インド勢に後れを取ったことすらある」と指摘する。
中国科学院院士の孫家棟氏は「宇宙技術発展の基礎はキャリアロケットだ。わが国にとって新たな大型推力ロケットの開発と発展は喫緊の課題だ。新型ロケットの開発は長年にわたり進められており、エンジンや大型構造の設計ではすでに成果を上げ、プロジェクトの基準をクリアしている」と語る。
中国工程院院士の竜楽豪氏は「将来的に中国の宇宙開発事業は、世界の先端水準に狙いを定めるべきだ。この目標を達成するには、高信頼性・低コスト・汚染ゼロの新型長征ロケットを早期に開発してこそ、今後30年ないしはそれ以上の期間、国内外の需要に応え、さまざまな用途の大型衛星や宇宙ステーションを打ち上げることが可能になる」と指摘する。
新型キャリアロケットの大きな特徴は、大きな直径、大きな運搬能力、高い信頼性、汚染ゼロ、運用の容易さだ。今後10年で、米国、日本、欧州はこのタイプのロケットを続々と完成させる。わが国の次世代キャリアロケットの開発には奮起急追と新たな貢献が求められている。
「人民網日本語版」 2008年09月25日