住宅・都市農村建設部の統計によると、2008年の中国都市部の生活ゴミ回収量は1億5400万トン、ゴミ処理量は1億3400万トンで、1年で約2000万トンのゴミが処理しきれていない。また、住民の反対や用地選定の困難により、ごみ焼却施設の建設は着工が大幅に遅れ、一部地域のゴミ処理技術の選択はジレンマに陥っている。
『全国都市生活ゴミの無害化処理施設建設十一五計画』では、「十一・五(第11次5ヵ年計画)」が終わる2010年までに、東部地区の都市部におけるゴミ焼却処理率を35%以上にするとされている。
「ゴミ焼却で有害ガスが発せられることは否定できないが、ゴミの汚染と比べると危害はずっと少ない。技術面で言うと、2つの悪いものからましな方を選択するしかない」と、南京市市容環境衛生管理局の張東毛局長は話す。政府は技術の宣伝を行うほかに、ゴミ処理場の運転に関する情報の公開や監督管理を強化し、社会の心配を取り除く必要がある。
国内では、高安屯のような先進的なゴミ焼却処理場の投資額は約8億元で、その半分以上が排煙浄化システムなど、焼却後の有害物質の排出量抑制に充てられている。王維平氏は、埋立場と同じで、一部の焼却設備の運転には基準がないため、汚染につながることを明かした。
熱量が高いことはゴミ焼却の基本的要求である。北京市環境衛生設計科学研究所の観測データによると、北京の混合ゴミの熱量は1キロ当たり4564キロジュールから9000キロジュールである。王維平氏によると、1キロ当たりの熱量が4200キロジュールで燃焼可能で、東部地区では通常6200キロジュールに達し、これは低質炭の熱量に相当するという。
この熱量は国外より低く、輸入設備を使用するのは容易でないと考える企業もある。広州李坑ごみ焼却発電第2工場の環境影響報告書には、ゴミの熱量が低いときまたは水分が多いときはディーゼルオイルを加え燃焼を助ける必要があると記されている。ある焼却処理工場の責任者によると、通常は規定に違反した運転をしており、指導者が検査に来た時だけ基準に合わせているという。環境保護部門がデータを観測していても、しっかりした監督管理が行われていない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年3月30日