円借款の中国植林事業支援研究セミナーの会場
日本の有償資金協力(円借款)による中国植林事業への支援に関する研究セミナーが14日、河南省の鄭州市で開催された。研究セミナーには日本駐中国大使館の松本直也二等書記官、独立行政法人国際協力機構(JICA)の 松本高次郎副所長、中国財政部金融司政府貸付1処の劉志勇副処長、国家林業局計資司外経処の傅健全処長、各地の植林プロジェクトの責任者、中日両国の植林分野の専門家など合わせて110人が出席した。
円借款は、開発途上国に対して低利で長期の緩やかな条件で開発資金を貸し付けることにより、開発途上国の発展への取組みを支援している。
中国政府が2020年までに中国の森林被覆率を23%以上に引き上げる目標を掲げている。中国の林業における取り組みを支援するため、日本政府はさまざまな協力を展開している。具体的には、植樹・造林、砂漠化防止、生物保護などの面で、資金支援、技術開発、人材育成、モデルプロジェクトの実施に協力している。日本の円借款や、無償資金協力の援助の実施機関である独立行政法人国際協力機構(JICA)は、中国の植林プロジェクトに積極的に取組んできた。
研究セミナーで明らかにされたところによると、円借款による中国植林事業支援プロジェクトが2001年に本格的にスタートし、2009年末現在、円借款による林業、環境保護プロジェクトはすでに中国の13の省・自治区で実施され、植林面積は164万ヘクタールにのぼっている。さまざまな植林プロジェクトにより、中国の自然環境が改善すると同時に、地元の住民の収入も増加し、持続可能な環境保護ができるようになっている。